
希叶
当たり前を当たり前に過ごせるように
呟いて 吐き出して 見上げたり沈んだりする
写真撮影
散歩

希叶
語学を学んで外へと向かう貴方に
そう言ってもらえたのが
どんな告白の言葉よりも頭に残っている
誰かの心の凹凸に
私の言葉が嵌まるのなら
それはとても僥倖だ

希叶
どうせ同情されたいだけの自演だろう?
なんて、さ
言われるのが怖くてずっと長袖に隠して笑う
君の傷と 私の傷は
見た目はきっと変わらないけれど
意味合いはきっと交わることがなくて
曖昧に笑いながら
どうか消えるなと思いながら傍にいた
消えてしまいたいと強く願いながら
君にはそう願わないで欲しいと我儘にも願った
前髪を整える
私の腕を切り裂いていた刃が其処にあって
あぁ 痛いと思えるようになったんだ と
ふと 気付く

希叶
何処に届かなくても
私が夜空に融け出して行けるように
言葉を紡ごう
それがひかりになるのか
楔になるのか
もうそれさえも分からないけれど
私が私であることを紡ぎ続けていかなくては
背中から毀れ落ちていく自分の意味を
忘れてしまうから
誰に届かなくても 何処にも行けなくても
私は私が紡ぐ言葉を零れないうちに
どうにか形にして残さなくては
言葉を紡ごう
美しくなくても 不格好でも
私が 私であることを 遺そう

希叶
昔、男友達に言われた言葉が未だにどっかに刺さったまんまだ
欲望の捌け口でしかない私の価値は
この容れ物にしかないのだと
そう、思った時に全部どうでも良くて
何も信じられなくなったんだ
耳触りの良いことばかり囁く君だって
この中身を受け入れちゃくれないだろう?
信じないでいるのは、それが楽だから
分かっているけど、もういいかな
君が男として終わってないことを証明したから
もう全部、肯定したから
私はここでおしまいでいいんだろう?
誑かすつもりなんか、一つもなかったのに、
私は君を掬って沈めただけだな
#戯言

希叶
何処に飛んでいこうって言うんだろう
でも春に出会うよりも確かな存在感で
其処に一輪佇む姿は
何より愛おしく思ったんだ
#散歩


希叶
君の隣の煙草の香りのする空気が好きだった
同じようなフィルターを通して
見上げる月が好きだった
それは、きっと
自由と背徳の味がしたから
目を瞑って 息を吐く
君がいない日常を歩く

希叶
優しくなりたいと願えば願うほど
自分の浅ましさを感じてしまうから。
自分がそう在りたいと
そう在って欲しいと願う行動をしているだけ。
それは結局、全部嘘で、作り物だから。
そこに「優しさ」なんか存在してない。
「自分は優しい」とそう思える人が
どこまでも羨ましくて、苦手だ。
こんな醜い思いを抱えずにいられたら、私も美しく笑えるだろうか。

希叶
君と、話したい。
それがどんだけ我儘なのか
解っているのにさ
…さ、
会いたいよ。
会いたいよ。
だから、さよならしたんだよ。
わかるでしょう?

希叶
貴方が「過去」として昇華してしまっていることに気づいてしまうから。
思い出すという行為が苦手だ。
傷付けた癖に楽しかったことばかりを手に取ってしまうから。
思い出すという行為が、苦手だ。
貴方にとっても、過去であることを思い知るから。
いつまでも鮮烈な傷で在って欲しいと願うのに
どうして
どうして忘れてしまうのだろう。

希叶
足元を埋め尽くしてた
またゆっくりと見上げられないまま
季節が変わっていく


希叶
光に透けて鮮やかな赤色
月夜にしか一緒に歩けなかった君を
いつまで 憶えていられるだろうか
この愛おしさを
いつまで
憶えていられるだろうか
ひかりの下 貴方は 何色?


希叶
幸せなんだろうと思う
#散歩


希叶
それでも尚 望むこと
伸ばした手の先に在るものを掴んだ途端
それが過去になってしまうこと
解っているから
私は寝そべって ただ空を眺める


希叶
#日常の1枚


希叶
後ろに引き摺り込まれるような
そんな昏い思いがあって
ただ此処に立っていることさえも
赦されないように感じる
いつも消え去りそうな私を
留めるのは貴方で
絶対に理解しようとしないで
だからこそ誰よりも強く引き留めて
私が自分で居なくなったら
貴方はきっと赦してくれなくて
私の一番嫌がることをするんだ
当たり前に、追いかけてくるんだろう
だから
観念した私は生きて歩けるだけ歩く
最後に貴方に頭を撫でて欲しいから
#ひとりごと


希叶
下を向いても、いいんだ
#ひとりごと


希叶
貴方のことが世界で一番好きなんだよ
失ってしまったら呼吸ができないくらいに
自分の生活の一部である貴方がいない日々なんて想像すらできない
貴方がいるから私の日々は成り立ってる
きっと、それは
貴方もそうなんだって自惚れじゃなく思ってる
私がいなくなったら、駄目でしょう?
分かってるのに
消えたくなるのは
貴方のせいじゃなくて
私の
貴方だけを知っていられたら良かったのに
喉の奥に 胸の奥に
疼くような過去
首を切り落としたくなる
皮膚を引き剥がしたくなる
貴方を穢してしまうと思い込む頭を止められない
愛してる
愛してる
愛してる から
だから
私は、貴方から離れたくなるんだ
#ひとりごと

希叶
#空


希叶
全部忘れても最後まで頭に残るんだ
ふわりと タバコの匂い
洗剤とシャンプーの匂い
それが混ざった 君の
手元に残ったのはいくつかの言葉とそれだけ

希叶
いつか報われる とも言えない
けれど
ただ 君が苦しみながらでも
其処に存在していてくれることで
それだけでいいと思っている人が
知らない所で何人かいることは
きっとたしかなんじゃないかと
そう、思う
だから頑張って とは言わない
ただ、出会ってくれてありがとう。

希叶
ただ 言葉を右から左に
明日の私が目覚めるまで
誰でもない 何でもない 私でいるの

希叶
ただ、寂しくて 哀しくて
「愛されたい」と願いをかけた
曖昧な願い事を
確かに 叶えてくれたんだと
ふと、気付いた
願い続けた想いが叶うのならば
次は貴方が幸せであるよう 願おう
貴方に貰った愛情の分だけ
貴方が貴方を愛せますよう

希叶
わけじゃない けど
月が綺麗な夜に
ふと咲く野の花に
貴方のいない空白がとても哀しくなるのだ
これは恋だったのか
ただの独占欲だったのか
貴方の声も顔も温度さえ曖昧なのに
右手の先が、さみしい

希叶
気付けば「やりたいこと」が分からなくなった
君をずっと忘れられないのは
そんな自分に気付かせてくれたから
緩やかに過ぎる 何でもない時間が
どれだけ愛おしいものなのかを
教えてくれたから
あぁ 会いたいなぁ
君と一緒に月を見上げたいよ
君の手元にある指輪は
まだちゃんと、君を守ってくれているかな
#ひとりごと


希叶
それは、天国ですよ
そう、君は言ったけど
ならば手を離してしまった今
君はずっと地獄にいるのだろうか
そうであってほしいと
私に何処までも縋ってほしいと
心の何処かで願ってしまっている
この昏い欲望に
君はずっと気付かないでいるのだろうな

希叶
ふと誰かの目に留まって
少しだけ肩の力を抜けるくらいの
言葉を渡せたらいい
何もなかったように散っていく
花のように生きていけたら

希叶


希叶
鮮やかな激情を懐かしく思えるように
はっきりとした色彩の中で
誰かと想いあってぶつかり合う君を
眩しく感じられるように
緩やかに終わっていくのだ
其処に自分が居ないことが当たり前なのだと
ただの傍観者なのだと
そう思うようになった自分に気づく
#ひとりごと


希叶
私も貴方も、こうやって
どれくらい充たされているのか
ぱっと把握できたらいいのに。

希叶
一瞬たりとも見逃したくないから
僕はどんどん欲張りになる
それが焦がれるということなのだろうか
それともただの醜い独占欲なのだろうか
#空


希叶
カタチに残るようなものも
君の言葉を綴った物語も
また会いに来ると言った言葉も
何一つ、残らないまま
居なくなってしまったじゃないか
分かってる
君はまだほんのこどもだから
どろどろで苦くて甘くて苦しい
こんな想いを抱いたことなどないんだって
分かってる
だから
守りたかった
壊したくなかった
綺麗なまま閉じ込めてしまいたかった
分かってる
分かってる
約束を果たさせなかったのは 私だってこと
何も受け取らなかったから
君がこんなに愛おしいこと
分かってる
分かってるのに

希叶
そう 言われた気がした。
#空


希叶
君の世界が少しずつ
私に侵食されているのを感じたから
君の瞳に映るすべてを
独り占めしたいと願ってしまったから
さよなら したんだ
私は、君のままの君が好き

希叶
薄ぼんやりとした常夜灯の下で
曖昧な輪郭を撫でる
温度と鼓動が鮮明になる
これくらいが、ちょうどいい

希叶
【この惑星で楽しみたいこと】
色々な言葉に触れたいです
よろしくお願いします

希叶


希叶
願うことさえ
罪でしかないのなら
誰か
とどめを刺しに来てくれないか
なんて
甘えたことを考えてしまう
#ひとりごと


希叶
全部、終わらせることができたなら
海に沈む君に寄り添うことが出来たのだろうか
#ひとりごと

希叶
息子達が私らしいと選んでくれたイヤリングを買った
久し振りに会った兄が元気そうだった
夏バテで食欲がなかった私が食べすぎたことを旦那が喜んでくれた
体調を崩して入院していた父の誕生日を皆で祝えた
それは当たり前の日常の一コマだけど
いつまでも当たり前な訳じゃないから
忘れないように刻みつけておくんだ
今日が幸せの欠片が沢山ある日だった、と
#空


希叶
#空


希叶
#日常の1枚


希叶
ふと、耳を塞いで
鳴り止まない蝉時雨に耳鳴りだと気付いた
#散歩


希叶
少し草臥れて項垂れていた
#散歩


希叶
君が見上げていたら
慌てて探してくれるだろうな。
会いたいなぁ、会いたいな。
もう、声も顔も、言葉さえも曖昧だよ。
言葉を渡してくれる君に会いたいなぁ。
同じ空を見上げてくれる君に会いたいなぁ。
泣く資格さえない手を離した私に
許されることなんて何一つないんだろうけれど
あぁ、会いたいなぁ。
はにかんで、笑って
照れくさそうに手を繋いで
静寂が来ないように言葉を紡いで
月を、見上げて。
世界が其処で終わっていいと思えるくらいに
君が、愛おしかったんだ。
幸せでいて。生きていて。
君が「終わって」ないことを知っていて。
手を伸ばすことは、もう出来ないけど
ずっと、多分ずっと、愛してる。
#ひとりごと


希叶
気付いてしまうと
踏み込みたくなる悪い癖が騒ぐんだ
そう されたくないのは自分も一緒なのに
揺らがないで 落ちないで
其処に立っていることだけで十分だと
そんな当たり前のことが難しいのが
自分だけではないと知りたいのかもしれない
世界が美しいことも
生命が尊いことも
自分が誰かに大切にされていることも
ちゃんと分かっている上で
呼吸をするのが苦しいのだと
そう 思うこと自体が罪のように感じて
閉じ込めて 笑って
自分を見失うんだ
気付かなくて良いことに 気付かなかったことにすることは出来なくて
ただ あなたが其処にいることは
きっと幾多の言語化出来ない苦痛の中にある一瞬なのだと思うから
せめて 大切に 受け入れて笑おうと
烏滸がましくも そう 思う
#ひとりごと

希叶
どろどろとした澱の中に手を差し入れて
光に透かして零していこう
どろりとした一雫も
赤と緑と青に分解されて
ひとつ ひとつ 煌めいて堕ちる
私の体を切り開いたら
こんなに綺麗な色が溢れてくるんだろうか
掛値無しに愛されるだけ貪られたくて
誰にも見向きされずに捨て置かれたくて
私の矛盾を知られたくもなくて
ただ 笑うんだ
言葉を紡いでみよう
貴方を愛して
君を傷つけてしまった
言い訳を続けよう
罪を 罰として受け止めよう
何処を切ったら 終われるだろう
#ひとりごと

希叶
子ども達にもうつっていって
下ばかり見てしまっていることに
気付かせてくれた
あぁ、どうか
そのまま空を世界の一部にして
ふ と
力を抜ける手段を時間を持って生きていけますように。
私よりも上手に生きていけますように。
#空 #ひとりごと

