
さなぎ
ゆっくり話がしたい
ちょっと辛くなってきてるから
お酒
散歩
ロック
洋楽
秋田
キリンジ

さなぎ
あつあつの鶏団子豆腐鍋
体は暖まったけども心はさむいまま
環境のせい?
それともこの考え方のせい?
光のみえないこのトンネルの中
進むべき方向がわからない
ただただゆっくり堕ちていくのが分かる
愛されたはずじゃないか
楽しかったはずじゃないか
そんな優しい思い出を一切忘れて
寒々とした思いになる
この寒い冬

さなぎ
そこにはいつもの青空が広がっている
忘れてしまいがちだけど、馴染みの青空はすぐ近くにある
これはちょっとした救いだとおもう
たまに、ほんとにたまに顔を出した時におもう
ずっとそこにいたんだねと、いてくれてたんだねと


さなぎ
わたしみづからのなかでもいい
わたしの外の せかいでも いい
どこにか 「ほんとうに 美しいもの」は ないのか
それが 敵であつても かまわない
及びがたくても よい
ただ 在るといふことが 分りさへすれば、
ああ ひさしくも これを追ふにつかれたこころ
八木重吉


さなぎ
夕暮れの街で
僕は見る
自分の場所からはみ出てしまった
多くのひとびとを
夕暮れのビヤホールで
彼はひとり
一杯のジョッキをまえに
斜めに座る
彼の目が
この世の誰とも交わらない
彼は自分の場所をえらぶ
そうやってたかだか三十分か一時間
夕暮れのパチンコ屋で
彼はひとり
流行歌と騒音の中で
半身になって立つ
彼の目が
鉄のタマだけ見ておればよい
ひとつの場所を彼はえらぶ
そうやてったかだか三十分か一時間
人生の夕暮れが
その日の夕暮れと
かさなる
ほんのひととき
自分の場所からはみ出てしまった
ひとびとが
そこでようやく
彼の場所を見つけ出す
黒田三郎


さなぎ
ぼくが ここに いるとき
ほかの どんなものも
ぼくに かさなって
ここに いることは できない
もしも ゾウが ここに いるならば
そのゾウだけ
マメが いるならば
その一つぶの マメだけ
しか ここに いることは できない
ああ このちきゅうの うえでは
こんなに だいじに
まもられているのだ
どんなものが どんなところに
いるときにも
その「いること」こそが
なににも まして
すばらしいこと として
まど・みちお


さなぎ
わたしのまちがいだった
わたしの まちがいだった
こうして 草にすわれば それがわかる
八木重吉


さなぎ
大将と女将さんの小さなお店
揚げだし豆腐が美味しいお店
女将さんが年末に亡くなったらしい
久しぶりに顔を出してみた
大将が1人 カウンターでうつらうつら
バイトも募集してるみたいだけど
ほかにお客はなかった
瓶ビールとお通し
次の注文に迷う
女将さんが担当してた料理は頼みづらいな
頼んだのは大将の作る
とり竜田揚
相変わらず生姜が効いておいしかった
結局何も聞かず 会計をして出る
余計な詮索は無粋だし
なにより
夫婦ではなかったのをきいてたから
それでも残された人間には
ひとり立ち回る後ろ姿には
かなしさがあった ように見えた
もともと寡黙な大将だし
それが心地よかったんだけど
いつか女将さんのこと話す時がくるだろうか
焼ワンタンを頼むときがくるだろうか


さなぎ
どこか遠くにいるだれでもいいだれかではなく
かずおおくの若いひとたちのなかの
任意のひとりでもなく
この世界にひとりしかいない
いまこのページを読んでいる
あなたがいちばんききたい言葉はなんだろうか
人間と呼ばれる数十億のなかの
あなたが知らないどこかのだれかではなく
いまこの詩を書きはじめて題名のわきに
漢字三字の名を記したぼくは
たとえばこういう言葉をききたいと思う
きみがどんなに悪人であり俗物であっても
きみのなかに残っているにちがいない
ちいさな無垢をわたしは信ずる
それがたとえ蟻の涙ほどのちいささであっても
それがあるかぎりきみはあるとき
たちあがることができる
世界はきみが荒れすさんでいるときも
きみを信じている
辻征夫


さなぎ
夏雲みたいな空


さなぎ
全てがオレンジに染まる景色を眺めていたいんだ
それを見て微笑んでくれる人が一人でもいてくれたらいいんだ
人生のほんの一瞬でもいい
そんな時がありさえすれば
きっとそれだけで人生は充分なんだ
生きてる意味があるって思えるんだ

さなぎ
そこにお前は立ちつくす
森の上の美しい日没
その異様なしずかさのなかで
お前は思う
もはやもとにかえることはできない
道化たしぐさも
愛想笑いも
もはや何ひとつ役に立たない
虚勢をはることも
たれにそうせよと言われたことでもなかった
笑うべき善意と
卑しい空威張り
あげくの果は
理由もなくひとを傷つけるのだ
お前を信じ お前の腕によりかかるすべてのものを
思うことのすべては言い訳めいて
いたずらに屈辱の念を深める
屈辱 屈辱のみ
自転車にもひかれず
水たまりにも落ちず
ふたつの手をながながとたれ
そこにお前は立ちつくす
ああ 生まれてはじめて
日没を見るひとのように
黒田三郎


さなぎ


さなぎ
なかよく


さなぎ
その日は いちにち
寂しく
寂しく
寂しく
…………
寂しいというのは これは
これは いったい
いったい何なのだろうなあ
なあ
なあ
なあ
…………
などと
ゆっくり
日が暮れるのである
工藤直子


さなぎ


さなぎ


さなぎ
ずるずると楽な方へとおちてく

さなぎ
これをあと何回繰り返すんだろう

さなぎ

さなぎ
だから自暴自棄なことしてしまうんだ

さなぎ


さなぎ
秋田の夏はあっという間
寂しさに拍車がかかる

さなぎ


さなぎ


さなぎ


さなぎ


さなぎ
自分を嫌いになるってわかっているのにどうして

さなぎ



さなぎ
うまく生きる能力、努力すること
社会の中、子供がぽつんと一人

さなぎ
おちていくのがわかる

さなぎ
何もしないまま1日が過ぎていった

さなぎ

さなぎ
空は今日も青い

さなぎ
今の自分にしがみつく自分がいる

さなぎ


さなぎ
自分の中に教師がいないんだな

さなぎ


さなぎ


さなぎ
ふとんから出られない

さなぎ


さなぎ

さなぎ

さなぎ
辛口メンマ
カツとじ
最後に千秋麺

さなぎ
ずっとくりかえし

さなぎ
余計に不安に拍車がかかる

さなぎ

さなぎ
考えられない

さなぎ
これいつまで続くの
