
いと
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いと
「髪切ったけど、早く会いにこないと伸びちゃいますよ」と、言ったらすぐ来た。
そして「俺がショート好きやから?」などと調子に乗りつつ、終始「可愛い。ほんま可愛い。めっちゃ似合ってる」と、デレデレしてた。
わたしが先輩のことを大好きなのと同じように、
先輩もまた、わたしのことが大好きなんじゃないだろうか。

いと

いと
先輩「何してもとは思ってない。そんな自信ないわ」
わい「でもわたしがふわっと居なくなると思ってないでしょ」
先輩「せやなぁ。いとちゃんはバシッと言うやろな」
わい「もうやめます!って?でもわたしがそれ言ったら、先輩はすぐ退きそうですよね」
先輩「え?そんなわけないやろ。なんでなん?ってなるやん」
全然想像つかん。
でも、上司のボディタッチにも、同僚からのLINEにもどうやらヤキモチ妬いてるみたいで「あれ?ヤキモチですか?」って訊いたら、見たことない顔して小突かれたから、多分図星。

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先輩が、わたしの返事を待たずにLINE送ってくることなんて滅多にないし、スタンプ送ってくることなんて無かった。それに、そういったイベント事へのアクションも早い方ではない。去年だって年末年始1週間くらい放置されて、仕事始めの日にあけおめLINEが来たくらいだ。
そんな先輩が、日付変わって直ぐに……と、思ってたけど、わたしの返信をまたも既読無視している。わたしのLINEが年始の定型文みたいなものだったから?それとも年末の先輩の謝罪を無視したから?いや、年末のわたしのLINEが原因か……。でも帰省したり忙しいよな、とか。もう振り回されるのに疲れた。

いと
3年半。もうだめだな。

いと

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「やべぇ奴いる」って笑いながら、完全に安心しきっていびきかいて寝てるくせに、わたしが少し動くと目を開けて「どした?」って顔で笑って、わたしの手をぎゅっと握る。
「いとちゃんいたら、めっちゃ寝れる」「気持ちいい…いや居心地がいい」と言ってまた眠る。
わたしは先輩を起こしてしまうのが申し訳なくてこっそり帰ろうとしたら「こっそり帰られたら寂しい。バイバイはして」と言う。
先輩、どうしちゃったの。

いと

いと
先輩がわたしを抱きしめていびきかいてるの愛しくてたまらない。
「このままやとわたしも寝ちゃうから、ぼちぼち帰るよ〜」って声かけたら、「もう帰るん…?そんな急いで帰らんでも…」って、強く抱きしめてくるの可愛すぎる。
「すごい癒される…めっちゃいい眠りにつけそう」って、抱きしめるから「えぇ抱き枕でしょ」ってふざけて笑って返したけど、幸せすぎて泣きそうだった。
先輩って、わたしのことめっちゃ好きちゃう?

いと
わたしに会いたいなら、会えない時も大事にしていて欲しい。
「大事にしてくれないなら会いたくない」と、言ったわたしに、先輩は「ごめんね。ちゃんとする。」と、言った。
それから、半年。
稀に1週間くらい放置されることはあれど、基本的には1日1回LINEを返してくれている。
でもわたしは、それを「頑張らせてしまっている」と、感じて苦しくなる。
強いられて義務感でやりとりすることに意味はあるのだろうか。
それでまた自家中毒になってモヤモヤする。
「頑張らせてるんかなって思うと、それはそれで嫌なんです」というわたしに、先輩は「やるって決めたことはやるよ」と、笑う。
3年もよく耐えてるな、お互い。
とっくに終わっててもおかしくない。

いと
やりたい時にやれない女だと、やっと理解していただけたようで。

いと
でも会えるってなるとしっぽ振ってしまうし、
会えたらとんでもなく甘い。

いと
3年以上一緒にいるけど、やっぱり好き。
おじさんになってきたけど好き。
久しぶりに「好きぃぃぃ😫」って言ったら余裕ぶっこいて笑ってた。
でもわたしが「たまにはさぁ、ちょっとくらいさぁ……」ってぶーぶー言ってたら「何?好きって言えって?」と笑って、「好きやで」と言ってくれた。
随分久しぶりに聞いた。
「俺も暇ちゃうし、好きでもないやつに時間割きません。そこを汲んでよ笑」と。
「言って欲しい時もあるのを汲んでよ」です。

いと
忘れた頃にやってくるね、君は。

いと

いと
来週もこっちに来るの知ってるけど、先輩はわたしにそれを言わない。
知ってるのを知ってるのか。
知らないと思ってるのか。
会えないから言わないのか。
「こそっと来てこそっと帰るかもしれへんやん。そういうことする男やと思ってるもん!」と、言ったわたしに「行くよー!来てるよー!って言うやん」って笑ってたくせに。
ばーか!ばーかばーか!

いと
もう仕事で関わることがないから、きっと先輩とメールやチャットをすることなんて、きっとない。
それでも、お気に入りに先輩の名前があるだけでわたしは幸せな気分になる。

いと
わたしが唯一、一年に一回だけ追いLINEを気にせず、先輩で止まってるやりとりを無視して、重ねてLINEを送る日。
朝、先輩から返事が来て、夜遅くにわたしが返したLINEに、また先輩から返事。
実のない会話だけど、先輩が頑張って返してくれているその事実だけで満足。
でも、あまり頑張らせると疲れてしまうので、今夜は既読を付けずにまた明日。
ほんとはずっと繋がっていたい。

いと
先輩「え?俺があかんなら誰が触っていいのよ」
わい「いや誰にも触らさんわ」
先輩「ちゃうやん。誰かに触らさなあかんとしたら、誰なら許可が降りるの」
わい「どんな世界線」
先輩「俺があかんのに、そんなんこの世のどこにも、いとちゃんのこと触っていい男おらんやん」
わい「?」
先輩「だって俺ですらあかんねんで?」
先輩、わたしが先輩のこと大好きなことに胡座かきすぎ。

いと
先輩は今のところ定年するまではわたしと一緒にいるらしいから、毎年予約を受け入れてくれてる。

いと
そしたら先輩は「なんもいらん〜。笑顔でいてくれたらそれでいいっすよ」と笑った。
結局、悩みに悩んで社内のPC持ち運び用のバッグを買った。
こっそりお揃いで。

いと
昨日の「あほ」って言われたのも、めちゃくちゃ愛のある言い方やった。
先輩が「やっぱりな」って思ってるのも、「だからそんなわけないやろ」って思ってるのも全部綯い交ぜにした、優しい「あほ」やった。
職場でそんな話は今まで絶対せんかったのに。
2人の関係がバレないように、一定の距離を保って関わってきたのに。
わたしが窓越しに「ここでする話じゃないでしょ」って窘めるまで、先輩はプライベートの顔してた。
先輩こそ、あほ。

いと
仕事終わって帰ろうとしてる先輩に、うちの職場先輩が「いとさん、ひとりで残るから一緒に残ってあげてくださいよ〜」って冗談で言ったら、気にしちゃった先輩。
「気にせず帰ってください。同僚さんも車で待ってるんやから早く行ってあげて!」って追い返した。
そしたら数分後「用事思い出したから、ちょっと残らせて」って帰ってきた。
結局そこから、1時間以上、わたしが帰れる時間まで残ってくれて、わたしが帰るの見届けて帰って行った。
いつもそうやって、わたしが困ってると優しくしてくれる先輩。
いっそ冷たくしてくれたら嫌いになれるのに。
ずるいなぁ。

いと
先輩は気まずそうな顔をして、素っ気なくしてくるくせに、わたしが踏み込んだことを言うと、慌てる。

いと
今朝もそう。
眠れない夜を引き摺って、最悪な気分で出社したら、たまたま道を譲った車が先輩だった。
そんなタイミング、ある?
そんなの運命じゃん。
しかも、あっちも気付いてて笑って手を振ってる。
そんなこと、ある?
LINE無視し続けてて。

いと
重なっただけなんだろう、色々。

いと
苦しい苦しい苦しい。
先輩は、いつもわたしをどん底に突き落とす。
あの時も、そうだった。
また、そうなるって思ってた。
そんな事しないって笑う先輩を信じきれなかったそこに答えはずっとあったのに。

いと
それからは、地獄のような気持ちを味わった。
手に入らなければ、知らずに済んだのに。
軽薄で軽率な先輩を。

いと
3年もこれで終わりか。
さよなら。

いと
明日も会社で会うのに。
月曜の仕事終わり会えるかも、なんて言ってたのに。
わたしがやめようって言っても引かないのに、なんなの。
もうやめたい。

いと

いと

いと
「わたしがどれだけ塩対応しても、なんとも思ってないでしょ」と、言ったら
「なんとも思ってない訳じゃない」なんて言いながら、わたしに塩対応される原因を作る。
わたしのLINEはどんどん素っ気なくなってる。
先輩に期待しても無駄だから。
それでも会うと、先輩の髪を撫でるわたしの手は、わたしすらも信じられないくらいに優しい。
そして泣きそうなのを堪えて、「好きです」の代わりに「先輩は可愛いねぇ」と言うのが精一杯なのです。
わたしの「可愛い」は「好きです」なのに、先輩はそんなことには気付かず「どこがやねん」と笑うだけ。

いと
「あんまり見んといてください。不細工やから」というわたしに「よく言うわ...めちゃくちゃ美人やのにどこがやねん」って笑う。
「今、不貞腐れてて不細工なんです」と言うと、
「おいで」と呼んで、近くに抱き寄せて「何をそんなに不貞腐れてんの?」と優しく言う。
いつもそうしてわたしは、いとも簡単に絆されてなし崩し的に、またずるずるとズブズブになる。

いと
先輩「えぇ...嫌?あかん??」
わい「んー...チャラい」
先輩「いや待って?見た目変わっても!中身変わってないから!チャラくないから!ずっと中身は知り合った時のままでしょ??俺はずっと変わってない」
わい「いや、中身もチャラいやん...」
先輩は、わたしが先輩の中身を好きだと思ってるんだなぁ。自分でもよくわかってないのに。
でも、多分わたしは、先輩の誰に対してもフラットなところと、相反して内包してる腹黒さにずっと惹かれてると思う。
この人は、これが本当なのかそれとも演じているのかどっちなんだろう...と、言う目でずっと見てた。
深く知り合って「あぁ、やっぱりな」と思ったんだ。

いと
3ヶ月でのスピード復帰。
パワハラの根源である上司と同僚のいる現職場への復帰。
復帰の日、たまたま出張でこっちに来てた先輩。
朝、わたししか居ない事務所にやって来て、備品を受け渡した手を優しく握って、笑って部屋から出て行った先輩。
あの日の先輩にずっと支えられて、今まで耐えた。
もうここともお別れ。
もう仕事で先輩に会うことは二度とない。
掃き溜めみたいな環境の職場で大嫌いだったけど、先輩に出会えたのも、先輩と始まれたのも、ここのおかげだった。

いと
先輩との始まりも、全部ひとつも忘れられない

いと
昼前にすれ違った時に、目が合った。
いつものように「ふふん」と笑う先輩に「なにー?」と聞き返す。
先輩は、また笑って持ち場に帰って行った。
本当は追いかけて、話したい。

いと

いと
どうせ先輩は、昨日も今日も会えたしLINE返さんでもいいやん...って思ってんだろな

いと
でも多分それは、ふわっと居なくなっても気づかない距離での話。
