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ノボイスキ®︎

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YO!音楽を聴いたり作ったりDJしたりしています🎧好みの音は電子音楽、80's、90's、HR/HM、パンク、オルタナ、ポストロック、シューゲイザーなど🎸🎹毎週金曜日21時音楽ルームやってます🎙️不定期でDJ配信もします🎚️🎛️🎚️
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【短編小説】先入観

私はベンチでひと休みしていた。

えんじ色の靴下をはいた女学生達が、友人と笑い合いながら私の目の前を横切る。次の営業先に向かうためか、靴を鳴らしながら颯爽と進んでいくサラリーマン。
隣のベンチではジーンズにジャケットをラフに着た男性が、前屈みになりながらスマホをいじっている。皆、それぞれだ。


夕日が空をよりいっそう赤く染めはじめた。そろそろ私も帰らなければならない。


隣のベンチの彼は、一生懸命スマホに文字を打ち込んでいるようだった。ここで勝手な想像を働かせてみる。

ーーー今日彼は仕事が休みなんだろう。いつもは彼女と休みを合わせているのだが、最近彼女が忙しいと言って、なかなか休みも一緒に過ごせないでいる。
いつもの習慣で朝早く起きてしまった彼は、せっかくの秋晴れのもとで部屋に籠っているのも勿体ないな...と、とりあえず車に乗り込んだのだろう。

「行き先は、気の向くままでいいや」

彼は思う。いつもなら隣に彼女が乗っているはずなんだけど。
そうだ、今晩は彼女を晩ご飯に招待しよう。仕事も大変だし、外食が多いって言ってたから、栄養ある物を作ってあげよう。そうなったら、食材を買いに行こう!
比較的広いショッピングセンターに着き、入り口のベンチに腰を下ろした。そして彼女にLINEをする。

「今日は僕が晩ご飯を作るから、仕事が終わったら食べにこないか」
しばらくすると、ブルルルと返信があった。
『私、今日はムリ。会社の飲み会があるから』
「また?この前もそんなこと言ってなかったかい?」
『色々付き合いがあって忙しいのよ』
「じゃあ休みくらい合わせてくれよ。最近全然会えてないんだから」
『しょうがないでしょう?本当に仕事が忙しいの。子供みたいなこと言わないで』
「わかったよ!もういいよ!」

それに対する返信は無かったのだろう。彼は落ち込んでいる様子だったーーー



と、ここまで想像してみたが、肌寒くなってきたので帰ることにした。私は立ち上がり、隣のベンチに座る男の前を横切り、ちらと顔を見る。




私は、愕然とした。















女だった。









(完)
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ハンス・ジマー

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