凸凹
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でも去年の夏、高麗川駅から八高線に乗って寄居まで行った。あの日のことが、すべてを変えた。 高麗川で電車から気動車に乗り換えて、ドアが閉まると同時にエンジンの低い音が響き始めた。 窓の外は、田んぼと雑木林、低い山並みがゆっくり流れていく。
首都圏なのに、こんな風景が残ってるなんて、意外だった。 浦和や大宮みたいな喧騒はどこにもなくて、秩父みたいな深い山奥でもない。 ちょうどいい、里山の連なり。 これが「奥武蔵」なんだなって、初めて実感した。 夕暮れが近づいてくると、車窓の景色がどんどん柔らかくなった。 夕陽が山の稜線に沈みかけて、オレンジと紫が混じった空の下で田園が淡く染まる。 列車はトコトコと揺れながら進んで、時々小さな集落や橋を渡る。
その静けさ、控えめな美しさが、なんだかわびさびみたいで。 心がすごく落ち着いて、ふと
「埼玉っていいとこだな」
って思った。 初めて、そんな気持ちになった。 『翔んで埼玉』みたいに、わざとディスったり自虐ネタで笑いを取ったりしなくてもいい。 役所が派手に「彩の国!」とかPRしても、なんかわざとらしくて逆効果になるだけだと思う。
本当の魅力は、こういう日常の延長で出会える、さりげないところにあるんだよね。 八高線の非電化区間を夕暮れに揺られるだけで、自然に「いいな」って染みてくる。 無理にアピールしなくても、乗ってみた人、歩いてみた人がジワジワ好きになる。 それが埼玉らしいんじゃないかな。 あの日の風景を思い出すと、また乗りたくなる。
秋の稲穂が黄金色に輝く頃とか、冬の澄んだ空気で遠くの山がクッキリ見える時とか。 季節ごとに表情が変わるから、きっと毎回新しい発見があるはず。 埼玉の原型みたいな場所が、こんな身近にあったなんて。 今は、もう少し素直に、この県のことが好きだ。

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(※写真は拾いものです)

