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ハチワレ圭

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#読書

村田沙耶香は他人と私、自分とそれ以外の境界を書くのが本当に上手いと思った。
性被害の描写があるのでそこは注意。
今まで小説を読んで、登場人物のビジュアルなんて浮かんだことなかったけど、この作品は自然と登場人物のビジュアルが想像できた。
上巻は掻き立てられるように読んだが、下巻は一転して落ち着いて読めた。



【ウエガイコクとシタガイコク】
ガイコクにはウエガイコクとシタガイコクがあると認識している主人公。はっきりとした国名は書かれていないのに、主人公が抱く考えや描写で、「あの辺の国のことだな」と思ってしまう。差別意識は誰にでもある。それは悪いことではない。私は口にも態度にも出したことはない。ウエガイコクシタガイコクに対する差別意識に姿形を与えたことはなく、「まあ私は差別なんてしませんけどね」という気持ちでいた。読了後、立ち寄ったコンビニの店員がガコクジンだった。何の気なしに「ああ、世界99でいうシタガイコクの人ってこんな人かな」と思ってしまった。思ってしまった自分に驚愕した。差別意識が姿形を持ち、私の偽善的な部分を刺した瞬間であった。やってくれたな村田沙耶香。今まで無かったことにしていた私の中の差別意識が、自分の存在を主張し初め、暫くショックであった。

【ちょうどいいSF】※ネタバレ注意※
ピョコルンがラロロリン人のリサイクルだと発覚したあの時。ピョコルンを掻っ捌いてでてきたのがそのへんの段ボールだった。「そんなわけないじゃん」と思ったのが最初。生き物の腹を開けて出てきたのが段ボール。これが荒いというか、雑というか…。それがなければ、ラロロリン人への差別や性被害、主人公の分裂など、まああるよね、という世界だった。でもこの段ボールのおかげ?で、「あ、これは小説だ」という感覚に戻ってきた。このほどよい雑さが良かった。
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