GRAVITY/あおい

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あおい

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あおい

まぶたにも　拭えし影が　在りぬれば
　　　　　　　　ひとり呟く　哀しき恋詩

あおい

十六夜に　酔いし盃　傾けて
　　　　　　もたれし身体　そっと撫でぬる

あおい

午前より　午後になりぬれ　いとあわれ
　　　　　　　咲かぬ花びら　誉める情けも

あおい

羊蹄の　美しきかな　久くも　
　　　　　　　会えぬ侘しさ　路も知るなり

あおい

せきえいの　鋭き刃　触れもみで
　　　　　　　　血潮湧くなり　午後の憂鬱

あおい

坂道に　落ちる夕日を　照らすかも
　　　　　　　　　涙枯れぬる　不忍池

あおい

万池　さざなみ多く　悲しみや
　　　　　　　愛別離苦の　時は久く

あおい

白い息　はずませ駆ける　虚げな
　　　　　　ひとみ見るなり　落つる哀しみ

あおい

久方に　会いしきみ見て　懐かしむ
　　　　　　まぶた閉じつつ　あの日の夕べ

あおい

誠実に　向き合う雨に　うたれつつ
　　　　　　心地よいかな　午後の転寝

あおい

傘がない　君の口元　眺めては　
　　　　　　旋律かなで　はしる雨音

あおい

微睡に　うたたね重ね　知る夕べ
　　　　　　　君待つ午後に　誰ぞ居るらむ

あおい

君みては　長きにわたる　うつろいの
　　　　　　　歯がゆかるざる　藤の尊さ

あおい

流れ星　眺む歳月　かぞえては
　　　　　　　かぐや恋しき　この月の空

あおい

煌めくも　吾に留まる　ことなきや
　　　　　　想い届かむ　藤に成りしか

あおい

苺塚　花見心地に　歩まざり
　　　　　　去らぬ寂しさ　つい惑ひせむ

あおい

儚きや　菊の花びら　眺めては
　　　　　　西に落ちなん　わが身知らでか

あおい

門司港　明治に馴染む　この景色
　　　　　　　悩み晴れなん　雨の乙姫

あおい

あおいとは　藍より出し　この御魂
　　　　　　　昴に生まれ　此処に堕ちなん

あおい

悩みては　往く歳月に　最果てむ
　　　　　　　　恋煩いし　夏の夕暮れ

あおい

夏まつり　往きし鈴蘭　想うては
　　　　　　　　藤に成りなん　形見の榊

あおい

天神の　宵宮眺む　この調べ
　　　　　　　　祭神聴こし　夕立のなか

あおい

繋がりの　昴眺めて　往く逢瀬
　　　　　　　　キミは東に　想い馳せなむ

あおい

昼顔の　虚いやすく　見える様
　　　　　　　天使まみえる　午後の時雨に

あおい

祇園にも　つきせぬ想い　懐かしむ
　　　　　　　時を歪めて　想い届かむ

あおい

西国の　紫陽花眺め　キミ想う
　　　　　　藤の花房　比べかなしき

あおい

恋恋と　来たる日どりを　待ち侘びて
　　　　　　ゆびおりしかな　今宵夜更けに

あおい

眠りなく　夢みる心地　忘れども
　　　　　　　疼く心の　キズやはれなむ

あおい

鈴蘭の　ねむり漂う　ひとときに
　　　　　　　吾想うのは　君や知れなん

あおい

淡きかな　林檎に告げし　藤袴
　　　　　　身につけさるも　後追いしかな

あおい

紫の　華に喩えし　君なれば
　　　　　　　天使舞うなり　午後のひと時

あおい

あまつかさ　華より初めし　恋ごころ
　　　　　　　思わぬいとで　縺れしさだめ

あおい

かんな月　月観る月に　願いしか
　　　　　　　われ星々に　榊そえなむ

あおい

皐月にも　恋ゆる季節が　なかりせば
　　　　　　　いと想われし　願い発らむ

あおい

彼岸花　後先みれば　公園に
　　　　　　　並ぶ霞の　雨滴らず

あおい

口元に　別れを告げて　幾年か
　　　　　　　巡り会いしか　藤の花房

あおい

可憐にも　見えし旋律　奏でては
　　　　　　　永遠に誓いし　五蘊の器

あおい

公園に　並ぶ影見て　締めつける
　　　　　　　こころの傷み　未だ忘れず

あおい

琥珀にも　見えし夕暮　冬の空
　　　　　　　月を廻りて　想う儚さ

あおい

この道を　歩きし夕べ　思い出す
　　　　　　キミの歩幅に　合わせし気持ち

あおい

ひとひらの　雪に舞うかな　昼下がり
　　　　　　　　　一色に酔う　儚き調べ

あおい

squallの　歌詞に打たれし　この傷の
　　　　　　　　苦しき御魂　慰めもする

あおい

緋くとも　藍より出し　この御霊
　　　　　　琵琶を奏でし　君におくらむ

あおい

風上に　萌ゆる仕草に　吾まよう
　　　　　　永遠かけかけた　謎も解きぬる

あおい

願わくば　連理の枝と　なかりせば
　　　　　　　気持ち僅かに　晴れるこの空

あおい

スズランの　古式ゆかしき　忍びては
　　　　　　　気持ち届かず　月みる夕べ

あおい

平安の　時代に遭いし　君なれば
　　　　　　　　心ゆかしき　時も儚し

あおい

歌詠に　定め説くきみ　儚きや
　　　　　　　想いもせずに　筆はしらせず

あおい

夏過ぎて　季節めぐりて　心地良き
　　　　　　　別れのキズも　彼の岸になく