
だん がらり
イマジナリーフレンドの皆さん、こんにちは。
Hello, my imaginary friends.
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だん がらり
はたた神見る癖ささくれ毟りたし


だん がらり
ネルの首元縒れている分かっている


だん がらり
街に出た誰でも良くて虹にした


だん がらり
老鶯四角き声を拾ひけり


だん がらり
確からしい水中眼鏡で見る君は


だん がらり
麦の秋風君の上に立っている


だん がらり
アベリアの落ち落ちる地を散る血かな


だん がらり
巣立鳥親は何処やマールボロ


だん がらり
やませ一瞬の無長く長い警笛


だん がらり
右肘の剃刀負けや青嵐


だん がらり
助けてくれサイダーの泡が揺れている


だん がらり
17アイス二百円目を逸らす


だん がらり
ゼラニウム南阿より紅き硝子来たる


だん がらり
半ズボン皆監督に成ってゆく


だん がらり
焼き立ての食パンを裂く君の指立ち上る湯気此処から逃げよう


だん がらり
面白うてやがて悲しき洗い髪


だん がらり
更衣遅れ厚手の布に埋まる


だん がらり
カーテンの裏カーネーション独立日


だん がらり
引き際の分からぬ我はパセリ也


だん がらり
歌い止し君居ぬ清和恙無し


だん がらり
夏めくや夢に内頬の肉を噛む


だん がらり
戻れない初夏の霧の音知る前に


だん がらり
薄暑の日錆びてゆく雲胃疼痛


だん がらり
陸の鴎として卯波を友と呼ぶ


だん がらり
苺ミルク生臭し縫った五針


だん がらり
茅花流しシーツ仕舞う辻強盗


だん がらり
子供の日そして食う寝るだけの部屋


だん がらり
夜もすがら呼吸もできぬ日永にて


だん がらり
麗かや心落ちゆく音がする


だん がらり
君の夏近き睫毛のふるりかな


だん がらり
仕方なし春の光に当てられて


だん がらり
血飛沫に乗りて行かん春三日月へ


だん がらり
すさまじき初虹薄刃燃ゆるごと


だん がらり
何時からか食い縛る癖春暮るる


だん がらり
鐘がなる猫の子の瞼開くまで


だん がらり
行く春の頭を叩く理科教師


だん がらり
死神の指先は桃の花の色


だん がらり
あて所に尋ねあたりません春の宵


だん がらり
桜人寝顔死顔山手線


だん がらり
春霖や蹄乾かぬまま示寂


だん がらり
草臥れて春の障子も破れたり


だん がらり
ライラック頭の中で泣き止む子


だん がらり
残光に重ね紫チューリップ


だん がらり
春光が椅子に廊下にうじゃうじゃと


だん がらり
毛蚕のまま翅生えにけるわたしたち


だん がらり
春暑し垂れ流るる経落ちる雲


だん がらり
管制塔花は滅びた聞こえるか


だん がらり
生き方という呪詛を解く百千鳥
