
ショコラ☘️
読書
絵画
詩
キャンドル
アロマテラピー

ショコラ☘️
🌹薔薇というのは
花びんよりも庭に似合う花だと思う
芝生の緑に映えるし
蜂と一緒の光景もぴったりと絵になる
午後遅く日ざしの中で
眠そうに咲いている薔薇など
たくさんの花びらを無防備にひらき
しゃわしゃわした花芯を露にして
高貴というより
のんびりしすぎた娘の風情だ
江國香織✨
「薔薇」
🌹🌿🌹🌿🌹🌿🌹🌿🌹🌿🌹🌿🌹

ショコラ☘️
世界中のお母さんと
お母さんを想うすべての方へ
平和への願いを込めて💐
Happy Mother’s Day!
We dedicate this illustration to
all Mothers in the world, as well
as to those who love their Moms
with a wish for peace.
🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼

ショコラ☘️
🕊️私が迷子になったら
あなたが手をひいてくれる
あなたが迷子になったら
私も地図を捨てる
私が気取ったら
あなたが笑いとばしてくれる
あなたが老眼鏡を忘れたら
私のを貸してあげる
そして私は目をつむり
頭をあなたの膝にあずける
谷川俊太郎✨
「迷子」
🕊️💜🕊️💜🕊️💜🕊️💜🕊️💜🕊️💜

ショコラ☘️
🎏かの喬(たか)き
欅を渡り来し風か
のぼりの鯉の
彩りを揉む
田谷鋭✨
🎏🌿🎏🌿🎏🌿🎏🌿🎏🌿🎏🌿

ショコラ☘️
🌉今日出会ったひとにおやすみを
今日出会えなかったひとにもおやすみを
わたしの花におやすみを
冷蔵庫のクリームシチューにおやすみを
隣の松田さんちのいそぎんちゃくにおやすみを
いい夢みるんだもんね
東直子✨
「回転ドアは順番に」
🌉💤🌉💤🌉💤🌉💤🌉💤🌉💤🌉

ショコラ☘️
🍵新茶は
きれいなあかるい若草色
湯冷まししてから
ゆっくりいれるとあまい
みどりの季節を
新緑のひかりといっしょに
飲むようなきもちになる
おーなり由子✨
「ひらがな暦」
🍵🌿🍵🌿🍵🌿🍵🌿🍵🌿🍵

ショコラ☘️
🪩それは
ささいな一瞬に過ぎない
だから わたしたちは
大抵生き延びる
傷とともに
生き延びるほかないのだ
「痛み」という踊り場で
じっと立ち止まってみる勇気もなく
階段を駆け上っては
迷い降りてきて
せわしなく人生をやり過ごす
文月悠光✨
「傷」
🪩🕊️🪩🕊️🪩🕊️🪩🕊️🪩🕊️🪩🕊️

ショコラ☘️
🌬️一羽の小さい青い蝶が
風に吹かれて飛んでゆく
真珠母色のにわか雨が
きらきらちらちら消えてゆく
そのように一瞬きらめきながら
そのように風に飛ばされて
しあわせがわたしに合図しながら
きらきらちらちら消えていった
ヘルマン・ヘッセ✨
「青い蝶」
🌬️🤍🌬️🤍🌬️🤍🌬️🤍🌬️🤍🌬️🤍

ショコラ☘️
🕊️『五月』
悲しめるもののために
みどりかがやく
くるしみ生きむとする
もののために
ああ
みどりは輝く🌿
室生犀星✨
🕊️🌿💚🌿🕊️🌿💚🌿🕊️🌿💚

ショコラ☘️
🌹昔の恋がなつかしいので
遠い薔薇を私は思う
うなだれた青い前額の
そのかみの日の情熱
忘却の上に流れる
ほのかな匂いの幽霊たち
昔の恋がなつかしいので
遠い薔薇を私は思う
堀口大学✨
「遠い薔薇」
🌹🕊️🌹🕊️🌹🕊️🌹🕊️🌹🕊️🌹

ショコラ☘️
✏️日記をつけることは
自分のそばに自分とは
少しだけちがう自分が
いることを感じることなのだ
ときどき あるいは
ちょっとだけでも
そう感じることなのだ
その分 世界はひろくなる
一日もひろくなる
新しくなる
荒川洋治✨
「日記をつける」
✏️📓✏️📓✏️📓✏️📓✏️📓✏️

ショコラ☘️
🌉小石をけったら
その石に心がとび乗って
きれいにすみわたった
夜へと消えていった
だから今
僕の心は夜の中なんです
銀色夏生✨
「夜の中」
🌉☄️🌉☄️🌉☄️🌉☄️🌉☄️🌉

ショコラ☘️
💠桜が終わると
ハナミズキの季節
街を歩いていると白やピンクの
花が綺麗に咲いていた
帰宅しふと見ると
隣家の白のハナミズキが
キラキラ輝き揺れていた💠✨
💠ハナミズキ
枝花ひろげ
天を突く
🤍🩷🤍🩷🤍🩷🤍🩷🤍🩷🤍🩷

ショコラ☘️
🌹花の一つ一つが
嬉しそうなのだ
そこに咲いていることを
心から愉しんでいる感じ
その愉しさが
まわりに発散されるので
歩いているだけで
幸福な気持ちになってしまう
ささやかで日常的な
たとえばちょっとした鼻うたくらいの
軽やかな幸福
江國香織✨
「午後の紅茶と薔薇の日々」
🌹🫖🌹🫖🌹🫖🌹🫖🌹🫖🌹🫖🌹

ショコラ☘️
🌎️約束 愛というものが
全てだと思わない
約束 友達という言葉は詭弁で
ほんとうは私もきみもただの他人だ
火星が接近するように
今わたしたちは接近している
この時間を私ときみが忘れても
この星は忘れない
最果タヒ✨
「プリーツの詩」
🌎🤍🌎🤍🌎🤍🌎🤍🌎🤍🌎🤍

ショコラ☘️
🕊️かなしみに
びんかんな わたしたち
幸福には
どんかんな わたしたち
幸福のたやすさを わすれないように
一杯のあついお茶をいれる
おーなり由子✨
「ひらがな暦」
🕊️🌿🕊️🌿🕊️🌿🕊️🌿🕊️🌿

ショコラ☘️
🕊️あのひとの手に触れて
あのひとの頬に触れて
あのひとの目をのぞきこんで
あのひとの胸に手を置いた
そのあとのことは覚えていない
外は雨で一本の木が
濡れそぼって立っていた
あの木は私たちより長生きする
そう思ったら突然いま自分が
どんなに幸せか分かった
谷川俊太郎✨
「あのひとが来て」
🕊️💗🕊️💗🕊️💗🕊️💗🕊️💗🕊️💗

ショコラ☘️
クレマチスを買ってかえろう
そして熱いコーヒーを淹れて
ゆっくりと飲もう
退屈をたのしむには
花とコーヒーと
新しい時間をくれる
古い本があればいいのだ
長田弘✨
「クレインさんの古い詩集」
💐☕💐☕💐☕💐☕💐☕💐☕

ショコラ☘️
🍎リンゴの香りが
ふっと鼻の奥に抜けていく
蜂蜜のやさしい甘みが
ささくれ立った神経をなだめてくれる
すごい と思った
人間はこんなに打ちのめされている
時でさえおいしいと感じてしまうのだ
そしておいしいと感じた途端
体中の細胞が息を吹き返していく
阿部暁子
「カフネ」
🍎🍯🍎🍯🍎🍯🍎🍯🍎🍯🍎🍯

ショコラ☘️
まったく何も得るものが
なかったなんてありえない
何かひとつくらいは拾ってて
それを大事な宝物として
人生の袋の中に入れておいたら
そのうちに発酵してきてあとで
『そうそうあんなこともあった』って
思えるところが人間の幅になるのよ
田辺聖子
「一生 女の子」
🍀🤍🍀🤍🍀🤍🍀🤍🍀🤍🍀🤍

ショコラ☘️
📚古い本が劣化して
角が取れてくる現象を
『スローファイヤー』と
呼ぶらしい
『スローファイヤー』
月日の炎に舐め尽くされた
二度とは読めない物語
その本に触れたら
わたしもきみも粉々になる
壊してしまうくらいなら
このまま後ろ手に棚を閉ざそう
文月悠光✨
「スローファイヤー」
📚🤍📚🤍📚🤍📚🤍📚🤍📚🤍

ショコラ☘️
🌸花は耐える
花はじぶんの春に耐える
乳いろの空にまぎれこむ
けどおい昼に
やさしすぎる雨に
涙ぐみうなずく夕べに
そうして愛は風に似て
におう闇の底を落ちながら
花ははじめて
花びらの重さをかんじる
吉原幸子✨
「春」
🌸🔸🌸🔸🌸🔸🌸🔸🌸🔸🌸

ショコラ☘️
やさしい地雷
踏むたびに
胸のあたりが
わずかに痛い
木下龍也✨
🤍🌸🤍🌸🤍🌸🤍🌸🤍🌸🤍

ショコラ☘️
💟見つめ合ったまま
目をそらせない緊張関係が
『恋』だとすれば
相手にときどきよそ見を許しながら
ひとつの風景を並んで眺めているのが
『愛』かもしれない
覚和歌子✨
「そばにいるのに君が恋しい」
💟🕊️💟🕊️💟🕊️💟🕊️💟🕊️💟🕊️💟

ショコラ☘️
🌸花びらは
一枚ごとに離(か)れゆきて
すべてが春の
読点になる
飯田彩乃✨
🌸🔖🌸🔖🌸🔖🌸🔖🌸🔖🌸🔖

ショコラ☘️
🌸さくらのつぼみが
ふくらんできた
と おもっているうちに
もうまんかいになっている
きれいだなあ きれいだなあ
と おもっているうちに
もう ちりつくしてしまう
まいねんのことだけれど
また おもう
いちどでもいい
ほめてあげられたらな…と
さくらの ことばで
さくらに そのまんかいを…
まど・みちお✨
「さくら」
🤍🌸🤍🌸🤍🌸🤍🌸🤍🌸🤍

ショコラ☘️
🌸桜のしたに
人あまたつどひ居ぬ
なにをして遊ぶならむ
われも桜の木の下に
立ちてみたれども
わがこころはつめたくして
花びらの散りておつるにも
涙こぼるるのみ
いとほしや
いま春の日のまひるどき
あながちに悲しきものを
みつめたる我にしもあらぬを
萩原朔太郎✨
「桜」
🌸🔸🌸🔸🌸🔸🌸🔸🌸🔸🌸🔸

ショコラ☘️
つながったとき
世界はいきなりひらけます
これは本当です
それまでは
だからじっとしていてもいいの
ただし目はちゃんとあけて
耳を澄ませて
体の感覚を鈍らせないように
江國香織✨
「食器棚の奥で」
🗺️💞🗺️💞🗺️💞🗺️💞🗺️💞🗺️💞

ショコラ☘️
🩷はじめてのものは新しい
けれどよく知りつくしているものは
もっと豊かだ
はじめて会ったとき
私はあなたを恋した
けれどいま
私はあなたを愛している
谷川俊太郎✨
「四月のうた」
🕊️🩷🕊️🩷🕊️🩷🕊️🩷🕊️🩷🕊️🩷

ショコラ☘️
🩷見えないけれど
お月さまは今日もいるんだよ
「やさしさ」も
きっと同じなの
気持ちがモヤモヤして
見えなくなることもある
でもね
それでいいんだよ
そんな時でも
あなたのやさしさは
心の中にそっとある
安心してね
ゆっくり
また見えてくるよ
いぬいさえこ✨
🩷🤍🩷🤍🩷🤍🩷🤍🩷🤍🩷

ショコラ☘️
🌸さくらの花びらには
ほんの少し「さようなら」が
混じっていて
さようならのことばの端にも
「さくらの花」が
ほんのり咲いている
宮尾節子✨
「春のひらがな」
🌸🤍🌸🤍🌸🤍🌸🤍🌸🤍🌸🤍🌸

ショコラ☘️
💛ゆびさきに
ひらめく春に
ふれてゆく
菜の花
ミモザ
リルケの碑名
山下泉✨
💠💛💠💛💠💛💠💛💠💛💠

ショコラ☘️
「人生は5つのボールでする"お手玉"のようなもの」
仕事 家庭 健康 友情 自分の心
仕事は"ゴム"でできていて
落としてもまた戻ってくる
他の4つは"ガラス"のボール
仕事に気を取られ落としたら
簡単に壊れてしまう
人生の優先順位は見失わないようにしたい
🍀🤍🍀🤍🍀🤍🍀🤍🍀🤍🍀🤍

ショコラ☘️
明るい陽のさすこの窓際に立っていたら
こころにも口までいっぱい
光が溜ってくれるかしら
桃だの桜だのの
固い蕾の結び目をほどいて
ほんのり紅をさしたりもする
ききめを持った春の光が
新川和江✨
「空き壜」
🌸🕊️🌸🕊️🌸🕊️🌸🕊️🌸🕊️🌸🕊️

ショコラ☘️
💟「お元気ですか」
という挨拶
私はあなたを憶えていて
気にかけていて
あなたのことをおもっています
というしるし
江國香織✨
「贈り物」
💟💠💟💠💟💠💟💠💟💠💟

ショコラ☘️
💠春色とは
何色なんだろう
たぶん
透明なんじゃないかなあ
冬は
ちょっとだけ灰色だった
なにもかもが薄暗くて
そのときは気づかなかったけど
最近になって
「やっと透き通った」と何度かおもった
緑とか黄色の
花とか見てると
光がありのままで
私に届きはじめた予感がする
最果タヒ✨
「ガラスの詩」
🕊️💠🕊️💠🕊️💠🕊️💠🕊️💠🕊️💠

ショコラ☘️
🌉さみしい夜は
遠くのことを考える
たとえば
海のどん底に眠るクジラの骨
たとえば
天の川銀河の一粒の星
この命もこの気持ちも
遠くこの星に落ちてきて
神様がまばたきしている間の
出来事に過ぎない
カシワイ✨
「こんな夜は」
🌉⚜️🌉⚜️🌉⚜️🌉⚜️🌉⚜️🌉⚜️

ショコラ☘️
🕊️屋根から上には
いつもふしぎな静けさがあった
どんな騒がしさも屋根より上には
けっしてとどかない
手をのばせばその静けさが
つかめそうだった
手をのばした
ずっとのばした
そしてつかんだ
静けさを一かけら
長田弘✨
「肩車」
🕊️🩵🕊️🩵🕊️🩵🕊️🩵🕊️🩵🕊️

ショコラ☘️
🕊️言葉とは
その人間に固有のもので
とうてい切離すことが
できないのではなかろうか
美しい言葉だと聴いて
そっくりそのまま真似してみても
その人と同じ美しさを
維持することは絶対に出来ない
茨木のり子✨
「美しい言葉とは」
🕊️💜🕊️💜🕊️💜🕊️💜🕊️💜🕊️💜🕊️

ショコラ☘️
🕊️人というのは一体何て
奇妙でオリジナルで
孤独なものだろうと思う
ここまでオリジナルでなければ
これほど孤独にならずに
すむのにと思い
でもだからこそ
「世界はときどき美しい」のだし
世界がときどき美しいからこそ
人は生きていかれるのだ
江國香織✨
「泣かない子供」
🕊️🌿🕊️🌿🕊️🌿🕊️🌿🕊️🌿🕊️🌿

ショコラ☘️
🌝人生は何でできている?
二十四節気八十回と
おおよそ一千個の満月と
三万回のおやすみなさい
そうして僅かな真実で
長田弘✨
「ハッシャバイ」
🌝🤍🌝🤍🌝🤍🌝🤍🌝🤍🌝

ショコラ☘️
💠これからもっと
日が長くなるからね
沈丁花のつぼみも
はじけるからね
私を待たなくていいから
走って行きなさい
欲しいもののところへ
まっしぐらに
希望の後ろ姿は群青で
宇宙とおんなじ色をしてる
覚和歌子✨
「浅い春の八ヶ岳に
ひとりで連詩してみるの巻」
💠🕊️💠🕊️💠🕊️💠🕊️💠🕊️💠🕊️

ショコラ☘️
🕊️いまあなたに必要なのは
あなたの苦しみを
いつしよに苦しむひとじやなくつて
あなたに新しい希望と力とを
与えてくれるひとだ
岸田国士
「火の扉」
🕊️⚜️🕊️⚜️🕊️⚜️🕊️⚜️🕊️⚜️🕊️⚜️

ショコラ☘️
🫖紅茶に入れた角砂糖みたいに
ほろりとくずれる
幸せはもろいもの
もろくあてどなく ほの甘く
記憶の中でだけ
いきいきと
銀色夏生✨
「青い鳥」
🫖🌿🫖🌿🫖🌿🫖🌿🫖🌿🫖

ショコラ☘️
惜しむためだけではなく
美しい瞬間を
次々手に入れるために流れていく
吉本ばなな✨
「黒いあげは」
⏲️🌿⏲️🌿⏲️🌿⏲️🌿⏲️🌿⏲️🌿

ショコラ☘️
ただの愛
お湯がただ温かいように
何も見返りを求めずに
ただ与えてくれるものが
この世に無数にある
イメージの中だけでも
それぞれそういうものを収集して
それがその人にとっての
光のパテになればいいなと思う
安達茉莉子✨
『「今はもう大丈夫」
――バスタブのイメージワーク』
💟🤍💟🤍💟🤍💟🤍💟🤍💟🤍

ショコラ☘️
🖤黒が似合うひとに
共通した肌色や骨格が
あるわけではない
黒は気持ちで着るのだ
ほかの色にはない力を
どうかまとえますようにという
祈りを込めて
寿木けい✨
「ブラック アンド ホワイト」
🖤🤍🖤🤍🖤🤍🖤🤍🖤🤍🖤🤍🖤🤍

ショコラ☘️
🕰️時間は
永遠のこまぎれ
こまぎれで
積木遊びするわたしたち
積んで こわして
また積みあげる
多田智満子✨
「時」
🕰️🤍🕰️🤍🕰️🤍🕰️🤍🕰️🤍🕰️

ショコラ☘️
🕊️時に悲しみと言い
時に喜びと言いながらも
私の心は
正しく名づけられない
休みなく動きながら
世界は広がつている
私はいつも
世界に追いつけず
夕暮や雨や巻雲の中に
自らの心を探し続ける
谷川俊太郎✨
「六十二のソネット」
🕊️💜🕊️💜🕊️💜🕊️💜🕊️💜🕊️