久しぶりにNIKON F3にフィルムを入れて、カウンターゼロで止めて、露出計を見ると、どの方向を見ても絞り優先でシャッタースピードが80のまま。あー、これはついに壊れたかと思ったが、数時間して思い出した。NIKON F3は、カウンターが1にならないと普通に作動しないのだった。これは、フィルム送りにオートになって、スローシャッターにならないためなのだが、こんなのもう何年も使ってないと思い出さないよ。まだ液晶欠けはなさそうだし、タフなカメラだな。
森山大道も爺さんになったなあ。そっか、逗子にもどったのか。って、まだ逗子の家はあったのか。新宿、四谷界隈にいなくなったのはなんだか寂しい。歩くのがおぼつかないのかな。昔、新宿で見かけた。森山大道が船を描いた絵だけの画集を出してほしい。森山大道の船の絵、本人の仕事場の壁にたくさん貼ってあるのがいい感じなのだけど、ペン画かな。インタビューの映像で見た。
岸政彦のポッドキャスト、最終回。最後に言っていた事は、自分もだいぶ前から気になっている現象だった。岸政彦が、20年ほど前の、おさい先生の声を録音していたものを聴いて、その声を聴いているけど、こちらから20年前のおさい先生には声は届けられないということ。これは以前に、30年前のラジオ番組を聴いていて、ヘッドホンから耳までは30年前なのだけど、一瞬にして今になってしまう。そしてあちら側には、30年前の世界全体が保管されていると錯覚する面白さ。その保存された過去に、こちらから向こうへは、アクセス出来ないことがとてつもなく虚しく感じた事。その空間の中には、自分もいるという不思議。これに近いトリックを利用したのが、いとうせいこうの小説、『想像ラジオ』ではないかと思っている。一部頭が混乱する面白さ。