GRAVITY/えごし

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えごし

建築

散歩

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町を歩くと枯れたサボテンの鉢をよく見る。
百均か何かの安い黒いのへ入っている。
私はこの冬はアサガオの蒴果をつぶして種子をいくつか手で握って、そのようなところに勝手に落としながら歩いている。

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寒い夜は扇風機をつける。
布団の中でカメのように縮こめたつま先がとんがり、風が撫でる。

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離郷し、数夜だけ、実家で洗ってもらった洗濯物に柔軟剤の匂いが残っている。
三夜包まれる。別にどこで洗っても同じなのだけれど。

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近所の花屋は趣味が悪いので、庭のアジサイを３つも手折ってアフロのように飾った。
このために私はいくつか蜘蛛の巣を払い、結果ヘンテコな挿花が家中で笑っていて、私と蜘蛛とで花屋を恨んでいる。

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駐車場から家までの暗がりに8匹のホタルが飛んでいる。私は川っぺりに立ってこの頃毎日数えたので、間違いない。

夜目が効いてくると9匹10匹と見え始めるので、ホタルは8匹くらいが良いかなあと思って電灯を見て、また歩く。

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玄関先のバラか何かだろうか、朝の度に花唇を無くすので、隣の廃屋に住む汚い野良猫がつついて食べているのだと思っていた。
雨の当たって落ちるのを見た。

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夜中にトイレを洗う心地よさがある。

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アンパンマンだけはいつでも私を裏切らないと、とても幼い頃から知っている。

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駅員さんが毎日「おかえりなさい。」と言ってくれるのが、嬉しいです。