2月SS【バレンタイン】
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かんくん
小噺『ばれむたいむ』






トモモ
あの頃どの店の品物を選んでたかは覚えてるのに、味がさっぱり思い出せないのは、そのせいだ。
「……そうそう、この味」
最近年1で買う高いショコラは、自分へのご褒美。不思議と、自分のために選んだ物の味は、きちんと覚えていられるのだ。すっかり贔屓になったショコラティエの作品を、今年もひと口。ヘーゼルナッツの香りが広がる、プラリネショコラ。
そろそろ苦い思い出からは解放されたい。だって、経験した別れの数だけ、避けたくなる店名も増えてしまってる。いい加減、ショコラを食べてそれ以外の味を思い出すのはやめなくちゃ。

さっぽろ

