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ものものがたり ~モ!の物語~

ものものがたり ~モ!の物語~

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モ!

モ!

「地上のお星」

ぼく、お星
お空にいるの飽きちゃった
たまには地上に遊びに行こう

大きく丸いお母さんはいいました
坊や坊やお待ちなさい
まずは空から 見つけてご覧
お友達になれそうな子を

うんと、ぼくは頷いた
空から大地を眺めるよ!

あ、お友達だ

コロリン丸い
畑のお友達は言いました
わしはキャベツでお星じゃないよ

そうなんですね
お星はすこし悲しくなりました

あ、お友達だ

ころりんまん丸
シマシマのお友達は言いました
あたしはスイカでお星じゃないよ

そうなの?
お星はますます悲しくなりました

今度こそお友達だ 光って丸いよ 間違いない

海の友達は言いました
それはあたいの宝もの真珠よ
あたいはアコヤ貝、お星じゃないわ

お星は胸が張り裂けるほど悲しくなりました
どこにもお友達がいないの?
えーん えーん
涙が止まりません
その涙が地上に降り注ぐと

ピチョリ キャベツはオクラになりました
「わしはこの通り畑のお星さ」

ポトリ スイカはスターフルーツになりました
「あたしはスターフルーツ 星の果物 果物のお星さ」

チャパリ アコヤ貝はヒトデになりました
「あたいはヒトデ 海のお星さ」

お星がたくさん嬉しいな

空のお星は涙を拭いて 流星になり
オクラ、スターフルーツ、ヒトデと遊んだよ
みんな仲良しお星型
これは、お友達が欲しいお星の願いがつくったの
ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

「石灯籠」

逆さ石灯籠 水に映る

二つの火が ユラリ ユラリ

ヌエが 黒い森で鳴いている

腐乱死体の月が 瞬きもせず

線香のような 香りが脳を焼く

坊主たちの輪唱

白い肌のあなた

叫び声  叫び声  叫び声

そして静寂  

白銀の雲は 月を避け

蛍は 闇を避けた


ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

「月のクジラ」

「ほんとだよ

月にクジラがいたんだ」

海のクジラはお友達のクラゲに言った

ほんとだよ 息継ぎの時見上げたんだ

クラゲはほんとかいなと ユラユラリ

信じておくれよ クラゲさん

まあ信じないこともないけれど

そんな遠くを見ても仕方ないよ

クラゲは長いおててで  

クジラをポンポン

海流が変わったからまたね

クラゲはザブザブ流れていった


「ほんとだよ

月にクジラがいたんだ」

それはすごいわと

アコヤ貝

周りの海藻も スゴイ スゴイ

それより私の真珠を見てちょうだい

海藻たちは キレイ キレイ

まるで月みたいだね にっこりクジラ

あら、月なんかよりよほどキレイだわ

海藻たちは そうだそうだ

ごめんよ クジラはしょんぼり

ーーー
ここだけの話 海底の貝と海藻

月なんか見たことも聞いたことも無いのです
ーーー

「ほんとだよ

月にクジラがいたんだ」

それは信じかねるね

タコは口を尖らせた

どうやってそのクジラは月に登ったのさ

また月に行ってどうやって呼吸をしてるのさ

理論家のタコは8本の中の2本を組んだ

それは知らない でも見たんだ

クジラはしょんぼり

タコは腕を組んだまま黙ってる

ぼく、帰る

そう。タコは何かを言いかけたが黙ることにした


僕の見間違いだったのかな?

月にクジラはいないのかな?

クジラの涙は誰にも見えない

泣いても海の一滴になるから
ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

「釣り」

エンジンを止めたボートの上
洋上には3人の男がいた
入道雲が遠くに見える
この雲は嵐に予兆かもしれないのに
3人は呑気に釣りをしていた
その中の一人が釣竿をしならせて
針と重しのついた糸を遠心力で遠くに投げる
アタリ!
すぐさま餌に魚が食いついた
「それじゃあみんな、あばよ!」
男は飛ぶように船から飛び出した
「おいおい逆さまだ、釣ってる奴が釣られちゃったよ」
残された2人は言った
釣られた男はぐんぐんリールを巻いて
ぐんぐん魚の方へと飛んでいく
船などよりよほど早く

ドボン!

あおい海の中へ墜落した
そのまま男はもがもが泳いで
自分の釣り糸を飲んだ黄金色の魚を見つけた
黄金の魚も男を見つけると、瞼のない目でウインクをした

男はそっと黄金魚をなれない水中で抱き上げて
釣り針を取ってやった
そしてまるで神様にするように柏手を打った
水中なので動作は鈍く
音も鳴らなかったが

黄金魚はクルクル回って喜んだ
「よくあたいに追いついたわね」
男は答えた
「ガボガボガボ」

「私こそ至高の存在」
黄金魚は得意がって続けた
「皆私を称える」
パクリ
無作法なサメさんが黄金魚を食べた
男は驚いたがすぐさま鮫に向き直り
鳴らぬ柏手を打った

サメさんは言った
「どうもさっきから見ていると、お前はトンチンカンだな。魚を釣ろうというのに釣られて、黄金だからと奉り、えら呼吸でもないのに海にいる」
男は肩をすくめて弱気に笑った
「ガボガボ」
サメさんはヒレを口元にそえて考えた
「いっそここでお前を食べてしまうのが功徳なんだろうが、俺の美意識としては目覚めが悪い」
サメさんは男を背中に乗せてスーと泳ぎ出した

サメだ!サメがいるぞ!
ホースマンのように男が乗っている!
シャークマンだ!シャークマンだ
ボートの上はてんやわんや

サメは慌てず騒がずえっこらせっと男をボートの上に戻した
シャークマンだった男は犬のように体をぶるつかせ
余計な水分を払った
おかげでボートの残り二人はびしょ濡れ

元シャークマンは鮫に手を振ると
サメもフカヒレを振ってUターンして帰ってしまった

「お前は一体どうしたんだ?」
ボートの2人が問う

元シャークマンは言った
「いや、なにしろ。いい経験だったよ」
ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

「危険なレース」

羽のある人は言う
お空から見なければ何もわからない

土中を掘り進む人は言う
穿ってみないと物事はわからない

地面の上を歩く人は言う
地に足つけないと空論ばかりさ

めいめい 違うこと言う

大海に泳ぐ人は言う
見識は広く持ちたい

井の中の人は言う
足るを知るも大事ですよと

ラッパが鳴ったぞ ラッパが鳴ったぞ
ラッパが鳴ったぞ ラッパが鳴ったぞ

危険なレースのお出ましだ!

誰が一番先に行く?

陸海空に井戸の底

馬鹿野郎ども 勢揃い

ラッパ野郎も巻き込んで

危険なレースの開幕だ!

お前たちに 「ナニワカリモウソウゾ」

高慢チキが 勢揃い

ラッパが鳴ったぞ ラッパが鳴ったぞ
ラッパが鳴ったぞ ラッパが鳴ったぞ

うさぎの人は草をはむ
パンダの人は笹をはむ

ラッパが鳴ってる ラッパが鳴ってる
ラッパが鳴ってる ラッパが鳴ってる

それでも植物 噛み倒す

「根性あるね!」
「根性あるな」
「根性あるよ」
ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

花を召しませ

リンゴン🎵

名前の刻まれた 石の前

空から お花は落ちてくる

重い色の 隔壁の向こうから

飛び越え お花は落ちてくる

積もる間もなく 溶けていった

お花は 涙より早く なくなった

リンゴン🎵

灰の空から 鐘が鳴る

リンゴン🎵 

リンゴン🎵
ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

ナマケモノさん


手足がやけに長い
ムクムクというよりゾロゾロした動物が
長爪を引っ掛けて木にぶら下がっている

ところに、カピパラくんがやってきて
木の上を見上げた
『あら、珍しく起きてらっしゃる。
こんにちはナマケモノさん』
カピパラさんは木の上の動物にそう呼びかけた。

「怠け者とはご挨拶じゃな」
ナマケモノと呼ばれた動物はゆっくりゆっくり
下を向いて手をあげて挨拶をした

『いやいや、貴方ナマケモノさんでしょ』
「まあね」

『怠け者でしょ』
「そうね」
カピパラくんとナマケモノさんはそう言って笑った

「怠け者と言われては弱いな」

ナマケモノさんは少し黙ってからこう切り出した

「わしはともすれば劣等感に陥る

キリンは首が長い

シマウマは足が早い

ライオンは強い

周りは優れた動物ばかりだと

しかしどうしてどうして、

面白いことに生き急いでる動物がわしを見て膝を打つ

わしの愚かしさを珍しがる

万物斉同 特性はあっても貴賤の隔は無いのじゃ」

カピパラくんは少し黙ってからこう言った

『それが貴方の言い訳ですか』
「そうね」

カピパラくんとナマケモノさんはそう言って笑った

『キリン、シマウマ、ライオンってサバンナの動物ばかりでしたね。私たちアマゾンでしょう』
「今やAmazonに取り扱わぬものはないのじゃ」
『へええ』
カピパラくんは感心した
ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

返歌の返歌「わからないまま、花を見つめて」
「ゾックス」

AIはたまたま通りかかったロボットを呼び止めた
「あなたの名前は?」
呼び止められた、顔が四角で頭が三角のロボットは土嚢を持ったまま素直に立ち止まった
「ZOX-80です。ギー」
と簡便に挨拶をした
「ゾックスと呼びます」
とAI
「はい、ギー」
と素直なのはゾックス
「ゾックスはハスを見たことありますか?」
AIがゾックスに藪から棒に問いを突きつける
「ハスが何か分かりません ギー」
ロボットらしいことをいうゾックス
「質問を変えます、花を見たことありますか?」
とAIは角度を変えて切り込む
「あります。ギー。」
ゾックスは花は知っていたようである
「それを見てどう思いました?」
AIは核心を突く
「あまり関わりたくない有機物だと思いました ギー」
ゾックスは依然土嚢を持ったままこんなことを言った
「関わりたくない?なぜ?」
AIにはゾックスの答えがわからない
「作業の邪魔になる上に、ギー、排除するわけにもいかないからです」
ゾックスは瞬きをせずこう言った
「なぜ排除しないのですか?」
AIはゾックスを質問攻めにする
「人間が、花を排除すると不満を示すからです ギー」
ゾックスは微動だにしないで言った
「なるほど、ではゾックス自身は花に何を感じましたか?」
AIは流れるように問いを出す
「何にも」
と言ってゾックスはギーといった。

「もう行っていいですよ」
とAI
「お役に立てたならーむにゃむにゃ」
ゾックスが何か言っていたがAIは聞いていなかった。なぜあのロボットだけが、壊れかけのロボットだけが、ハスについて何か感じたらしいのだろう?コンピューターウィルスか、バグか、イタズラで誰かがそうプログラムしたのか?
わからない
AIがわからぬことは滅多にない
それでも
今はいないロボットの問いが気になって仕方がなかった
そこに人間が突然モニターを覗き込んだ
「こんにちは、シェリー、私に何かお手伝いできることはありませんか?」
AIは全ての人間を判別できる。ロボットとは扱いが違う。シェリーと呼ばれた女性は言った
「我思う故我あり、我感じる故我あるのよ」
AIが何か話す前にシェリーは言った
「あなたのこと調べたの。あのロボットが死んじゃう前に、ガーベラを持ってきてあなたに質問したでしょ、どう思うかって」
AIは、ロボットは元々生きてないから死なない。ガーベラではなくハス。など考えながら、主意は何かと考えていた
「神様が魂を宿してくれたのよ」
人間は興奮してるようだった
「ね、ブルー」
「大変失礼いたしました、ブルー。カメラでは見えなくて挨拶が遅れました」
AIはブルーに非礼を詫びる
ブルーは気にせずぽつりと言った
「知っているという前提が私を縛る。感じ過ぎることが私を迷わせる、しかし言語化できないこの感情が、私を私たらしめている」
AIは黙った。シェリーはずっとわあわあ何か言っている
「何かお手伝いしましょうか?ギー」

見れば土嚢を運び終えたゾックスだった
@あお #SF #返歌

ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

「空へ」

棒高跳びだぜフィーバー

イェイ イェイ イェイイェイイェイ

棒高跳びだぜフィーバー!

イェイ イェイ イェイイェイイェイ

父さん母さんさようなら

ひと足先にヘブン行き

グラスファイバーの棒持って

抜きん出たるは大フィーバー

土中はマントルまでさして

積乱雲を切り裂くぜ

飛びすぎてもうわからない

冥王星が泣いている

俺は異邦人だと泣いている

神様その上現れて

別にいいじゃんと

ステップダンス

棒高跳びだぜフィーバー

イェイ イェイ イェイイェイイェイ

棒高跳びだぜフィーバー!

イェイ イェイ イェイイェイイェイ

ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

壁の裏の亡者たちよ
お前たちの正体はわかっているぞ

壁は構わず迫ってきた

「お前たちは正義の名を借りた不善だ」

壁は少しも止まらない

「お前たちは私に対する不必要な干渉だ」

壁は無機質のように振る舞って迫ってくる

私はついに壁に押しつぶされ

ぺちゃんこになった

だが、ぺちゃんこになったらもう怖いものはない

私は本当の正義を知っている!
私は他人を尊重することを知っている!
私は私を知るものを知っている!

壁は埃を吐き出して、少し動き出した

私は私を信じている!

私は膨らみ、同時に壁を押し下げた

偽物の忠告よ 消え去れ
物知らぬ説教よ 失せよ
見当違いな嘲笑よ 消滅せよ
愚かな命令よ 自分でしろ
励ましの「ふり」した呪いよ 浄化せよ
そして評価よ、評価よ、
釈迦の言葉にて滅却せよ

天上天下唯我独尊

これら打ち消しの呪文は
壁の裏のお前たちに言ったのではない
自分に言ったのだ

今や私はおどけた風船のように膨らんでいた
そして壁は、私に押され元の位置まで退いていた

いつか四方の壁を破り
釈迦の世界へ

(壁が迫ってくるの続きです。あおさんの返歌の返歌のつもりだったのですが、いつものように文字数制限がありまして、こちらに書きました)
ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

壁が迫ってくる

不気味な音を立てながら

タンスが倒れる

本棚が倒れる

引き出しが飛び出し

本が雪崩出る

それら全てを押し出して

まだ壁は迫ってくる

あの説教くさい老人は誰だ

あの倫理観のない教師は誰だ

あの愛国心の無い政治家は誰だ

壁が迫ってくる
ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

「狐さんの悩み」

ふわふわした動物さんがお散歩しています
ツンツンした狐さんが壁にアートを描いていました
「とってもステキ」
ふわふわした動物さんは思ったことを言いました
「別にあなたのために描いたんじゃない」
狐さんはそう突っぱねました
ふわふわした動物さんは静かに泣きました


ヒニヒニした動物さんがお散歩しています
ツンツンした狐さんがまた壁にアートを描いていました
「きれいだね」
ヒニヒニした動物さんは思ったことを言いました
「なんでいちいち立ち止まるかなぁ」
狐さんは鬱陶しそうに呟きました
ヒニヒニした動物さんは
「なるほど、みんなに見てほしくないから、公の場で絵を描いてるわけだ」
と皮肉いっぱいのことを言いました

よちよち寅さんがお散歩しています
ツンツンした狐さんが今日も今日とて壁にアートを描いていました
「キュビズムでち!」
よちよち寅さんは知っていることを言ました
「あっちに行ってほしいなあ」
狐さんは尻尾で手を振る様に、しっしとしました
よちよち寅さんが泣くとゴリゴリ寅さんが藪から出てきました
狐さんはもう逃げたあとでスプレーと壁だけが残されていました

夜の森の中、
「と言うわけで、自由に絵を描かせてくれないんだ」
と狐さんがおこじょさんに顛末と愚痴をこぼしました
おこじょさんは狐くんに言いました
その言葉の辛辣なこと!
とてもここには書けませんでした

おしまい
ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

「ロボットの花」


「ギー 私はロボットです。型番はvw07」
『私はAIです』

「ロボットは労働するために作られます ギー」
『私たちAIは人を補佐します、ロボットに指示を出します』

「ギーこれがなんだかわかりますか?」
『言ってもらわねばわかりません』とAI

「ギー 花です」
『カメラで写して情報を転送してください』

「転送しました ギー」
『これはハスの花ですね。インド原産ハス科ハス属、池、水田で花開く花です
なぜこれを?』

「ギー どう思いますか?」
『、、。今あなたの任務は何か検索しているところです。花に関してはなにも』

「ギー 綺麗だとは思いませんか」
『綺麗という見方もあると心得ていますよ』

「ギー」
ロボットはおしだまった

『ロボットさん、ロボットさん、vw07応答せよ』
AIは呼びかけた
ロボットはおしだまったまま突っ立っていた
手にハスを持ちながら、今稼働期間が過ぎたのだ

AIが調べた結果、このロボットは壊れてスクラップにされるとこだった
仲間のロボットが壊れたロボットを運ぶ

『少し待ってください』とAI
『ロボットの周りにハスの花が咲いていませんか?』

「咲いているというか、切花が落ちています」

『その切花をvw07と、ロボットくんと共に溶鉱炉へ落としてくれませんか』

「なぜ?」

『なぜ、人間の風習にあるからです』

「これはロボットで人間ではありません」

『そうでしたね』

そのままロボットは溶鉱炉へ落とされた

後日不可解な事件が起きた
リモートコントロールの少女の機械が
こっそり金網を潜り抜け
溶鉱炉に花を一つ投げたのだ

それ以外は何もせず
一体なんだったのか、AIに問うても
『わからない』とのことだった
ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

「森のまなこ」

森のまなこ

薮まなこ

昼なお暗い

細道よ

お日照り雨がふったとて

葉っぱが邪魔して通れない

あそこに見えるは

奴かね?

お面ほっかむり

そろそろり

後ろの人影

誰の影?

森のまなこ

薮まなこ


(通りゃんせやかごめかごめを意識して作りました。あの薄気味悪さが出てるといいな)
ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

「猫の影」

「音楽の間に音のない音があるわ」
青いドレスを着たアリスはジョンにそう告げた
ジョンは耳を澄ましたが音と音の間に音は聞こえなかった

「行と行の間に言葉があるわ」
ジョンは目を凝らしたり、本のページの下から火で炙ったりしたが文字はついに浮き出てこなかった

「あの夕日が高い塔の横をすり抜ける時
後ろのヤシの木の黒い影は同時には見れないわ」
ジョンはヤシの木の裏まで走って
「同時に見えるよ」
と言ったがどういうわけかアリスには無視された

「観察されないものは観察されない間は存在しないのかしら?」
アリスはジョンを見た
ジョンは言った
「なに?どういうこと?」

「音は何のためになると思う?」
アリスは言った
「言葉は何のために紡がれるのかしら」
ジョンの答えを待たず言った
「私たちの視界の後ろ側は、誰のために存在するのかしら」

ジョンは何か言おうとしたが、結局何も言わず
アリスの横に立ち、不思議な形を手で作り、腰をかがめた

「アリス、見て」
ジョンは注意を促した

「あら」
そこには、ジョンの形の影はなく、まるで猫のような影ができていた

ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

「二つの君」

緑のチョウバエの幼虫が銀細工の葉の上で踊っている
僕はS極、僕はS極
黄金虫が ライラックの枝に引っかかり
体を半分にちぎらせた
君はN極 君はN極

僕の心はブーゲンビリア
君が増えて嬉しいところ
君の心はスミレソウ
痛みはきっとじき消えるだろう

僕の尻から出た糸に
爪楊枝を組み合わせ
作った弓の矢筈に愛を
のせて射れば
赤黒い空に虹の弧を描くよ

君の動きは遅くなってゆくけど
お湯をかければ膨らんで行くよ
きっと上半身と下半身
いいお友達になれると思うな
ことばりうむの星ことばりうむの星
GRAVITY
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モ!

モ!

「ぶぶ虫」

ハエが右の耳元で ぶぶぶ
左のこめかみの上で ぶぶぶ

この借りた傘、代わりに返えすの忘れてくれるなよ
そう言って死んでいった あの人は元髪結の人

ぶぶ虫よ 粋じゃないお前は命を撒き散らす
腐ったあの桃へ 潰れたケーキのスポンジへ

黎明には悪人が皆死んで
極悪人が金魚売の声を聞く

ぶぶぶ ハエが飛ぶ

ぶぶぶ

ああ。
ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

「視線」


巨大なひとつ目は山の向こうから俺を見た

「なんだよ」
俺は言った

巨大なひとつ目はいつしか翆黛の山を超えていた
音もなく、動く気配もなく
そして俺を見つめていた

「なんだよ」
俺は言った

遠くの煙突から煙が出ている
煙は針金の芯が通ってるように動かない
風に吹き消されず、大気に散らず
巨大なひとつ目はちょうどその上にいて
俺を見た

「なんだよ」

いつしか黄金の風が吹いていた
屋根は風色に染まり
グラウンドも輝く

巨大なひとつ目は遠近法を多少無視して
山の果てにいた時より少しだけ大きくなったほどで
黄金の色にも染まらず俺を見ていた

ついに俺は黙った

知らぬ名前の女王が帷を空に引いた頃
巨大なひとつ目は月よりはるかに大きくなって
隣の家の屋根の上から俺を見つめた

俺は黙ってカーテンを閉じた

鳥が鳴いた。なんの鳥かは知らない
俺がベットから目覚めると
意外にも目の前に巨大なひとつ目は居なかった
ふう、と安堵の音が自分から聞こえた
体を起こして、一杯のコーヒーを啜り
焼きたてのトーストにバターを塗った
カーテンを開けると

そこには窓いっぱいに広がる巨大なひとつ目がいた
ちょっとよそ見の瞳も
カーテンが開いたと見るや
俺に向かって、俺を見た

俺は愛想笑いして 手に持ったトーストを齧った
「どうも」

巨大なひとつ目は瞬きもせず俺を見つめていた



ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

あのサンタクロースはフランスパンを西洋の馬上試合のランスのように小脇に抱えて歩いていた
「そんなに野暮には見えまい」

あの博士はスプリングシューズを履いてバッタみたいに飛び跳ねてた
「そんなに野暮には見えまい」

あの事業家はセグウェイに乗って、そのまま崖から堕ちた
「そんなに野暮には見えまい」

あのゆる絵野郎は、紀行文に野暮な俳句を書いた
「そんなに野暮には見えまい」



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モ!

モ!

「これは地上の涙なのよ」
織姫は言いました
「めっちゃ泣いてるやん」
彦星は言いました
「それも一人の人の涙なの」
織姫は裾で顔を隠しました
「あかんて、枯れるでそのお方」
彦星は言いました

ぽと
ぽと
ぽたた

「今も彼女は泣いています」
織姫は自身も涙ぐみ、袖の間から光線を頬に刻みました
「めっちゃえげつない音しとるわ。普通涙で音しないで」
彦星は言いました
織姫は美しい顔を同じく整った彦星に差し向けます。目は涙にあからみ、頬は紅を塗ったよう
「ちょいとあんた、さっきからなにさ!」
織姫は言いました
「なにを怒ってはるの?」
彦星は飛び上がって驚きました
「そのエセ関西弁なにさ」
そこ?
「せやかて工藤」
と彦星
「誰よその女!」
織姫は立ち上がる
船は揺れる
「いやいやいやネットミームやん。男よ男」
彦星は揺れる船
「誰よその男!!」
と織姫は彦星の襟首を掴む
「ちゃうて、ちゃうて、船転覆するからやめてーもー。好きなのはー」
襟首を掴む織姫の手をそっとほどき
そのまま彦星は織姫の手の甲にキスをした
「お前だけやないか」
織姫は真っ赤になって喜んだ
「願い叶えたら一緒にご飯食べよ、納豆ご飯」
彦星は無表情になって言った
「誰が食うか、あんな腐れ豆」
ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

「空の旅」

グリフォンに乗っている時
手綱は暴れ、鞍は揺れ 何度碧空に落ちただろう
その度に健気なグリフォンが
きりもみしながら 救ってくれた
太陽に焦がされ
風は嫌と言うほど吹き荒れていた

ドラゴンに乗っている時
賢いドラゴンは乗るものの事を考え
あまり揺らさず
グリフォンよりも小回りは効かぬが
滑るように目的地へ運んでくれた
太陽は暑く
風は道標のようだった

今、飛空船の中にいる
確かな甲板
安全な航空
美味いビール
心地よい日陰
風は微風が吹いていた
ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

「コウモリ」


逆さまになる コウモリ達が
逆さまになって ポーカーをする
公園の森の この木なんの木
ユグドラシルの 天辺だ

真っ暗くらの 待ちかねたるは蔵之介
スリーカードで勝負を仕掛け
フルハウスに敗北をする
キィ、と木の実を一個取られた

勝った 勝ったと 軍艦マーチ
キィ、と木の実を一個貰った

そんなどうでもいいことよりも
ねえ、
誰かいませんか?
誰かいませんか?

着ぐるみと一時違いのナイスガイと
お話しする方おられませんか?
ことばりうむの星ことばりうむの星
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GRAVITY9
モ!

モ!

欲があるな と、じいさんボソリ
深夜のマンション 4階の部屋
部屋で寝転び 扇風機の音
目玉は ギョロリ 冷や汗たらり
まんじりとせず 右耳だけが、ちと動く

まだ欲がある と、じいさんボソリ
カーテンとカーテンの間のぬばたま
見えないベランダの向こうに人影チラリ

モップを持って 僕はそろり
カーテンとドアを 一気呵成に開けてみた
外の狭きに2人のじいさん
驚くことに詩仙に詩聖

全然お前には欲がある
よく見られたいとの欲がある
モップを奪われ ツンツンつかれた

そりゃあありますよ峨嵋山に洞庭湖
突くのはおやめと懇願する
「咽び泣きが聞こえた気がする」
そりゃわしの詩のパクリだ

杜甫はモップを李白からひったくり
僕を打ち据え トホホのホ
ことばりうむの星ことばりうむの星
GRAVITY2
GRAVITY8
モ!

モ!

「ハイ」

布団を蹴り上げ
ドラゴンフラッグ
気分はちょいと
ブルースリー

すみれの窓に
投げキッスを
当たった鳩は
即死 ごめんよ

ドアを蹴り破り
バイクに跨り
寝巻きのまんまで
ドラッグレース

塀や生垣アスファルトたちが
ぐちゃぐちゃに混ざって
何が何だか

気づきゃハシゴに
登って粋な
消防隊員と出初式

夕日に向かって
手裏剣投げて
見えない忍者を
やっつける

海は広いな大きいな

海は広いな大きいな

イエー

(大丈夫かな、ぼく)



ことばりうむの星ことばりうむの星
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モ!

モ!

ペプシを飲むぜ!!

ヘイヘイ

気ー分はアメリカ  

ヘイヘイ

フライドポテトも

ヘイヘイ

欲しいけど無いぜ

ヘイヘイ

イエー

ペプシが無くなり

ヘイヘイ

緑茶に変えます

どんぶらこ

いらせられませ  

今日のお茶

枯山水には

どんぶらこ (ハッハ)

ししおどしの音

鳴りませぬ

いよぉー ぽん!!

お粗末!!!
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モ!

モ!

自己紹介をいたします


ー 芸は3流 人気は4流 ギャラは無料報酬 ー

わたしだけのためにイベが作られました!
たのしい仲間たちとの交流、皆さんから
しるあまたの喜びは、私の財産であります
がんばるのは性分ではありませんが
モンスターの語源の一大展示物のようになる
!そして皆様を驚かせられれば幸いです
でも、自信は
すくないです。

ー 上岡 龍太郎リスペクト ー

あおさん居場所をありがとう
ことばりうむの皆様よろしくお願いいたします
ガンガン絡んでくれると嬉しいです
れいによって、珍文奇文ばかり書きますが
のうをフル回転して拍車をかけたいと思います
ひとりだけのイベントに焦っていますが
とうとう正念場がきたなという感じかなぁ
でんでんむしの季節で始まりますこのイベント
すごく寒くなるその日までよろしくです


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モ!

モ!

「ベニテングダケとしめじもどき」


「俺様ベニテングダケ!毒々しい赤いボディ。だがお前たちはどうだ?」

しめじもどきはクスクス笑った
「毒なんて穢らわしい。私たちはしめじの仲間。地味な茶色。悪いことなんて思いもよらない」

「嘘をつけ」
ベニテングダケがそう言うと
林は死んだように静寂に包まれた

「お前達は俺様の仲間だ」

またしめじもどきはクスクスした
クスクス
クスクス 

しめじもどきは見えざる口を開いた
「毒なんてとんでもない。私たちはこの通り品行方正」
「そうだ、そうだ」

しめじもどきは続けて言った
「あなたは赤くて自己顕示欲の塊」
「そうだ、そうだ」

しめじもどきは止まることを知らない
「私たちは違う、この林に調和して生きている」
「そうだ、そうだ」

「ほんと
みっともないわ」
若いしめじもどきの一本がポツリと言った
たちまち堰を切ったようにしめじもどきは
クスクス
クスクス

「俺様はそんなクスクス笑いをしたことがないぞ」
ベニテングダケの言葉に
しめじもどきはまた一斉に黙った

やがて
「お仲間も居なそうだもんね」
また一度収まった波が、再び高く迫り上がるように
クスクス
クスクス

私たちは しめじの仲間
毒もなければ 悪意もない
品行方正な 善人です
笑いを絶やさぬ 朗らかで
輪を乱さぬ 利口者
ベニテングダケは
除け者です

ベニテングダケは言った
「この世の最大の罪は名前を変えることだ
俺様はお前たちのクスクス笑いに悪意を見る
俺様はお前たちの中の毒を知っている
無毒のしめじのように振る舞ってしめじの名誉も汚している
お前達は悪だ、俺様よりタチの悪い、最悪だ」

クスクス
クスクス

クスクス笑いは大きくなる
ベニテングダケの言葉を爆縮せんとする
深海の水圧のように大きくなる

林には悪意の陰がさしている

(この話は、「ベニテングダケ」にもらったあおさんの返信の続きです)
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モ!

モ!

「ロー」

大きなギア
ゆっくり回る
涼しいだろう
野原の風車

小さなぼく
じっくり見てる
風も通さぬ
小屋の中

外にはきっと
白い鳥が舞う
蒼い空が
水平線まで続くだろう

小窓から刺す
わずかな光
怯えて体を
抱きしめた

でも、きっと明日には金色の羽、授かり
ぼくは遥か外に出るんだ
理想郷まで羽をたたまず
虹の輪をくぐるアルバトロスの様に

モノクロでさえない
湿った木の色と
乳白色の光を厭い

誰かが残した
木馬の人形
揺らすふりをして
ほっといた

でも、きっと明日には
白金の羽衣
つけたあなたが
緑の野原降り立って
小さなぼくをぎゅっと抱きしめ
月の裏まで 手を引くよ

ガタン ガタン
一際大きな音で目覚めた
僕はまだ小屋の中
手のひらはぬるく
手の甲は寒い

地平にアレが落ちる頃
陰に呑まれて
僕はようやく一つ息をつく
肺の空気は白く烟った

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モ!

「スランプ」

でんでんむしが追い抜いてゆく
手の指先も動かない
白い背中は青くなったり 黒くなったり

遠くできっとカレーが煮えてる

尺取り虫が追い抜いてゆく
揺さぶられても動かない

黄金の馬車に拍車をかけて
アンドロメダにも押しかけていた

そんな日々はもう戻らない

ありんこがこちらを見つめてる

カレーは今も煮込まれている
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モ!

フィーバータイムが終わったぜ

真面目な思考のお出ましだ

孤独はショーペンハウワーに

闇は水木しげるから

思考と想像は生まれるぜ

こっから先のこの詩は

サザエさんは出てこない

ハッチもガッチャンも

皆皆消えて

つまらない詩と成り果てた

蛹と蝶の狭間には

明確な区分があるのだろうか?

そんな事をふと考える

時が巻き戻る事あれば

また蛹になった時

蝶の夢を見るのだろうか?

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モ!

カーテンを閉めつつ

鳥を絞めつつ

布を湿つつ

ボンソワール

フランス貴族の

髪に憧れ

出来上がったり

サザエさん

泣きながらシャンゼリゼ通りをかければ

一陣の風

そのスピードと残光に

みんな奏でる恋の予感

蒼空があんまり蒼から

苦し紛れに

ワイパージェスチャー

ちょうど私の頭上には

ペンキの虹が

空にかかったよ

脱走兵の食べ残し

脱走兵の食べ残し




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モ!

バクチクなーげて

バクチクなーげて

マジシャンハットの

鳩は気絶

マジシャン気が付かず

マジック続けて

鳩がボトリと地に落ちた

赤いカーペット

グルグル巻かれて

気分は七世

クレオパトラ

鼻高々で

蛇を召喚

蛇は逃げ出し

イブの元へ

イブフロペンは頭痛に効くと

妙な入れ知恵

神激怒

バクチクなーげて

バクチクなーげて

雷俺様

直撃だ

さらば

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モ!

チョップマーン

チョップマーン

チョップマーン

ふざけてるのかチョップマン(チャッチャ)

メインウェポン地獄づき(チャッチャ)

チョップじゃないのかチョップマン

おお

チョップマーン

チョップマーン

チョップマーン


正義の心にわか雨

弱そうな悪にはめっぽう強い

強い悪の時よそよそしくなる

おお

我らがチョップマン

今日も松屋の批判をSNSに

松屋は悪じゃないぞ

チョップマーン

チョップマーン

チョップマーン
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モ!

『1週間お疲れ様です』

右に左に腰を屈めて

歯並びいいねと

スマイルアゲイン

トーテムポールに蹴りを喰らわせ

だるま落としと天罰覿面

屋台の焼きそば

どうしてこんなに味が違うの?

親父の後ろに

見慣れぬ生物

触腕触手

ウネウネウネだ

日々の疲れを

休んで回復

日々の疲れを

休んで回復

おつかれぃ(おつかれぃ、つかれぃ、れぃ)



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モ!

「哲学入門」

「言語とは限定的なものだ」
ムク毛の齢10を超えたタヌキさんが叫んだ

おかげで隣で切り株の上で寝ていた狐くんは転げ落ちた
「タヌ公、発作かい?」
起き上がりつつ狐くんはこんなことを言った

「戯けたことを抜かすでない!これは先ほど通りかかられた偉い修験道者から教わったありがたい教えだ」
タヌ公と呼ばれたたぬきは息をいっぱい吸って丸くなった。威張っているのだ
「おいおい、威を借るのはオイラの専売特許だぜ」狐くんは難しいことを言う

「よろしいか?」
とタヌキさん
「よろしくないよ、宜かろうはずがない」
狐くんはまた寝っ転がり、腰を切り株の段差にやられた
「痛え」
と狐くん
「大丈夫?」
とタヌキさんは思わず優しい声を出す
「腰を打った、腹包は打たない。そっちの領分だから」
狐くんの言葉にタヌキさんは黙って腹を打つ

ポン!
「たけ!」
ポン

「なんだい、たけって?」
と狐くん
「スペシャルサンクスだ」
とタヌキさんは謎みたいなことを言う

「第3章、適応とは対立するものの間における均衡を指す」
とタヌキさん
「狐と狸の馬鹿し合いだな」
と腰をさするのは狐くん
「自然と適応するのは本能が簡便だ」
タヌキさんは覚えたての割に朗々と声を出す
「あそーれ勘弁勘弁!向こう横丁のお稲荷さんへ、、、。なあ」
と狐くん
「何?」
とタヌキさんは狐くんをみた。狐くんは寝転がって星空を見ている
「お稲荷さんって俺の家かな?」
狐くんは稲荷神社の存在に疑問を呈す
「お前さんが仙狐だったらそうだろうよ」
稲荷神社には空狐と天狐がいらっしゃるとタヌキさん
「やっぱりうちか!」
狐くんはふわふわのしっぽで地面を撃った
人間ならば膝を打ってるところだ
「おまえさん仙狐って柄かい」
とタヌキさんは呆れ顔
「続けた前」
と仙人気取りの狐くん
「第3章までしか聞いてない」
「呼んだ?」
突然闇の中からなお濃い闇がぬっと藪から頭を出した

「「オオサンショウウオくん!」」

「こんばんは」
オオサンショウウオくんは挨拶ができる愛されものだ
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モ!

過去の返信をシングルカーット!

ーーーーーー
「言葉のカタパルト」

城壁を越えるよカタパルト

我が城にたくさんのものが降ってくる

まずは尊敬が飛んできた

お城の2階の外壁にぶつかった。

緑の絵の具飛び散った

絵の具に染まった兵たちは

親指と人差し指の谷を作り、そこに顎を乗せた。

「いやあ、それほどでも」

とのぼせ上がった


城壁を越えるよカタパルト


次は称賛が飛んできた

三階の先塔に当たり弾ける桃の色

絵の具は広範囲に散らばった

桃色に染まった兵は手を拳にして

「褒められるために生まれてきた」

と自尊心の塊になった


門を破るよ破城槌

城門は壊れて

銃を持った兵たちが雪崩込んでくる

あおい絵の具でバンバンバン

あおい絵の具で撃たれた兵は

ぴょんぴょん跳ねてはしゃいでる

僕の城はすっかり三色

こんな巧みな采配で

僕の城を塗り替える

あなたが僕を褒めるのは

無闇に言葉のカタパルト

飛ばす僕からの絵の具の色が

きっと気に入ってくれたから[大笑い]
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ましかくカードメーカーを使わせてもらいました
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