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「………」

私はそっと彼を見つめた。
ただ真っ直ぐに決意を込めて
見つめた。

「…………」

彼は何も言わなかった。
ただ無表情でそこにいた。

月の光に照らされた麦の穂が風でざわざわする。
夜の世界で私達は二人だけだった。
ただ麦畑が広がっていて田舎道で
私たちだけに光が舞い降りているみたい。

でも─
この静止したような世界で
彼は

私は見たんだ。
その瞳を
本当に私にだけなのかもしれない
それくらい微かに揺れる彼を見たんだ。

自然と私から目を逸らす。
でも、それすらも
私には見えてしまっていた。

この人は─

「………っ」

私は想いが詰まって
気づいたら目から一雫の涙が出ていた。

そして
私は咄嗟に抱きしめて
彼をただ
抱きしめていた。

背中に回した腕でぎゅっと服をつかむ。

「………」

彼は何も言わない。

この人は言葉が上手だ。
だけど
こんなときなのに何も言わない。

いや
そういうわけではない。
この人は
肝心なときに不器用で─

それが私を

「………これで……終わりだよ…ね」

私は泣いた瞳で彼を見つめた。
初めて近くでみた彼の表情は
子供みたいで

救いたかった。
私はどうにかして
この人を
この人の傷をはらいたかった。

そこから連れ出したかった。
一緒に歩きたかった。
私の夢をそばで見ていてほしかったんだ。

でも─

「………そうだな…」

すっと私の手からすり抜ける。
彼が消える。
一歩に下がる。

まるで─
自分は違う。
私の隣にはいられない
とでも言うように。

「どうして………どうして……」
「一緒に行こうよ………私と一緒にいてよ……」
「私が……私がいるから……二人で……っ」

思わず私は崩れ落ちて
泣きだしてしまう。

こんなこと駄目なのは分かってる。
分かってるけど
でも、
でもそれでもこんなことを言ってしまう。

「………嫌い…だから。もう……話したくない…から」

彼は背を向いて
ただ淡々とそう答えた。

だけど─
分かってしまう。
その指先が微かに震えていることを
彼が私を遠ざけていることを

どうしてそんな
自分の感情を後回しにするの?

「………私には……夢があるの………あの月で………私の好きな人と結ばれて………そして………そこで私の……デザインのお城を作って………みんなの拠り所にするの………人の帰る場所にする………」

「どうして……あなたは……来てくれないの……?」

分かってる。
私は分かってる。
私は月に行くお迎えの馬車が来る。
だけど、彼の馬車はない。

それも分かってる!

だけど、
なにか
なにかしら方法もあるはずだ。
彼を置いて行きたくない!

だから、
だから、
お願いだから、
素直になって私の手をとってほしい。

私の夢とともに
あなたの闇を払いたいから。

私はあの日見てしまったから。
あなたの暗闇を─

だけど─
彼は振り返らなくて

「………どうでもいい……夢なんて………」

ただ背を向いて
吐き捨てる。

鈴の音が聞こえる。
天から私を呼ぶ声が
祝福がやってくる。

彼の真っ暗な服とは違う
純白のベールに包まれた馬車がやってくる。

「本当に……来ないんだね………」

私はそう呟いた。
少し俯いて

「………」

「彼は拒絶しています。姫……早く参りましょう。彼は貴方が嫌いなようですから。」
「あなたは……一方的に、彼に執着をしている」

従者が私をきっと睨む。
私がいつまでも行かないから
だから、私に怒っているんだと思う。

「……うん…そう…だね……」

舞い降りた馬車を見つめて
涙を隠して
馬車に静かに座った。

「ずっと……忘れないから………また戻ってくる………見捨てないから………!だから……だから………ごめんね………」

私は必死に言葉を紡ぐ。
私を乗せた馬車は
天へと上がっていった。

まるで夢見心地の雰囲気だ。
こんなに幸せなことなのに
祝福されてるのに
どうして!
こんな気持ちになるの!

でも私も後戻りはできない。
彼を一番にはできない。
ただ唯一彼を知る私
彼の闇を見てしまった私

だけど
私にも譲れない一番の人がいた。
彼は私を闇から導いてくれた。
ただ優しく手を引いて
本当の私を見せてくれた。
私の夢を応援してくれた。

私を月で幸せにしてくれる人がいたから─
私に初めての感情をくれた人がいたから─

「…………さようなら………」

世界が変わる瞬間に

風の流れに乗せて
私はそれだけを呟いた。

「………」

彼は
ずっと後ろを向いていた。
きつく手を握りしめて─


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もちゃん

もちゃん

おかんがMステに!タモリさんに「はじめまして!」と言われた。何と答えた?おかんがMステに!タモリさんに「はじめまして!」と言われた。何と答えた?

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森田一義アワー、いつも見てました。
大喜利のお題の星大喜利のお題の星
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まや

まや

大勢の人が集合していました〜!
塊根や多肉がたくさんたくさん並んでいて
見応えありました!
サボテン教室とかもやっていました〜。
有名人の花森家の人達もいました!やはりすごい人だかりで近づくこともできず。

私はハルオチアの赤の斑入りをお迎えしました
花や植物を愛する星花や植物を愛する星
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寝太郎

寝太郎

#読了
それはそれはよく燃えた
同じ1行目から始まるアンソロジーの
第6弾
どの話も短く読みやすくて、色々な作家さんの
話が読めるので好きなシリーズ
今回は風森章羽さん、米澤穂信さん、我孫子武丸さん、秋吉理香子さんのが好きでした
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