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あまねくあまね

あまねくあまね

今の私は、説明をやめた。

境界線は、説明ではなく規約で引く。

私はにこやかに言う。

「うん、家は無理」

そして、代替案を出す。

「外で会おう」
「次はカフェにしよう」
「その日は短めにしよう」

ここで主導権が戻る。
“無理”だけだと角が立つ。
でも“無理+代替案”は、ただの生活管理になる。

生活管理は、冷たいようで優しい。
なぜなら、あなたの生活を守るから。


#伏線はカラアゲ一個から
#伏線はカラアゲ一個から続・白線の引き直し
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あまねくあまね

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第三話

「ちょっと」で人生を軽くしない

「ちょっと掃除すればいけるでしょ」

この“ちょっと”は、危険だ。
なぜなら“ちょっと”は、言った側が楽になる言葉だからだ。

言われた側は、急に現実が重くなる。
• ちょっと片付ける
• ちょっと時間作る
• ちょっと我慢する
• ちょっと譲る

“ちょっと”は小さい顔をしている。
でも積み上がると、生活を飲み込む。

私はかつて、飲み込まれた。
年末の床と油と睡眠で。

だから私は、対策を作った。


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あまねくあまね

あまねくあまね

帰り道、私は自分に小さく拍手した。

“いいよね”に勝ったからじゃない。
勝った、という言い方がもう古い。

私はただ、主語を回収したのだ。

私の時間。
私の家。
私の予定。
私の皿。

主語が戻ると、世界が静かになる。
湯気が減る。
イルミネーションがただの光になる。

そしてその静けさの中で、やっと聞こえる。

——自分の声。


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あまねくあまね

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ここまでくると、不思議なことが起きる。

相手の反応が二種類に分かれる。
1. 「そっか、分かった」と言う人
2. 「え、なんで?」と言って食い下がる人

そして私は、ここで観測者として結論を出せるようになった。
1. は、次に進める人。
2. は、唐揚げを取る人。

唐揚げは悪くない。
でも唐揚げを取る癖のある人は、だいたい他も取る。

私はもう、唐揚げ一個で見抜ける。

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あまねくあまね

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そして最終呪文。

「泊まっていいよね?」

これは本編で、見た。
見たし、払った。

だから私は、ここだけは笑顔を外して言う。

「それは無理」

余計な説明はしない。
説明は交渉の入り口になる。

“泊まる”は、家の話ではない。
境界の侵入権の話だ。

侵入権は、交渉では決めない。
規約で決める。

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あまねくあまね

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さらに別の日。

「今週会えるよね?」

“時間”を餌にした“いいよね”。

ここは特に危険だ。
時間は戻らない。
なのに時間の話は、なぜか“軽く扱われがち”だ。

私はこう言う。

「会いたい気持ちはある。
でも今週は忙しいから、来週の候補日を2つ出すね」

これで主語が戻る。
こちらが“予定の管理者”になる。

私は学んだ。

予定を握られると、生活が削られる。
生活が削られると、心が鈍る。
心が鈍ると、また“いいよね”に負ける。

だから最初から、握らせない。

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あまねくあまね

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別の日。

「割り勘でいいよね?」

来た。
“お金”を餌にした“いいよね”。

昔の私は、ここで内心モヤっとしながらも「うん」と言っていた。
モヤっとする理由は簡単だ。

割り勘が嫌なんじゃない。
割り勘を決められる構造が嫌なのだ。

だから私はこう返す。

「割り勘もいいけど、今日は私が多めに食べたから
次は私が払うね」

あるいは逆に、相手が多く食べていたらこう言う。

「今日はあなたの方が多めだったし、
少し多めにお願いしていい?」

ここで大事なのは、金額ではない。
“いいよね”で決まる世界にしないこと。

“会計”という現実的な場面で境界線を引ける人は、
だいたい他の場面でも引ける。

境界線は、いきなり人生で引くと重い。
会計で引くと軽い。
軽いところで引ける人が、最終的に強い。

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まさん

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地元にあるラーメンチェーンのらーめん八角で1人メシ!
ここは4のつく日がカラアゲ、8のつく日がギョーザがなんと88円[星]
#ラーメン
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あまねくあまね

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私はある日、また鍋に誘われた。

鍋はよく出てくる。
鍋は距離が縮まったように見えて、
境界が溶けたように感じて、
そして気づいた頃には、決定権だけが相手に移っている。

相手は言った。

「鍋行こ。ここでいいよね?」

来た。
“店”を餌にした“いいよね”。

昔の私は、メニューを見ながら「うん」と言っていた。
返事が楽だから。
空気が壊れないから。
そして壊れない代わりに、少しずつ自分が削れる。

今の私は、笑顔のまま返す。

「うん、候補としてはいいね。
でも、私はもう一個見てから決めたいな」

ここで重要なのは、否定しないこと。
否定しない代わりに、決定を先延ばしにする。

“いいよね”が狙っているのは、即決だ。
即決さえ阻止すれば、呪文は弱る。

相手は一瞬止まる。
箸と同じで、言葉も止まる。

止まったら勝ちだ。
止まった場所に、白線を引ける。

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