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こまめ
1つ目
“The impact of insufficient sleep on dietary choices and physical activity behaviors: evidence from a randomized cross‑over trial”
著者:David L. Dickinson, Naomi Kakoschke, Sean P. A. Drummond 他 / 年:2025 / 雑誌:Scientific Reports
睡眠時間8-9時間と5-6時間の人どんな差がある?って試験です
寝てない人の方が食いすぎ、座りすぎ、動かなすぎになる。睡眠不足だけでなく太るはなんやらで最悪っす、ってことが証明された論文です。途切れ途切れでもいいし、浅くてもいいから長く寝ましょう。
2つ目
“A 12‑Week Randomized Controlled Trial of Nutrition and Exercise Education plus Dietary Supplementation in Korean Baby Boomers”
著者:EH Jang 他 / 年:2025 / 雑誌:Nutrients
患者に栄養運動指導をしたり、サプリを勧めたりして変わるのか?という試験です。
結果、多少変化はあれどほぼ変わりませんでした。結局本人次第やんってことです。こういった情報発信も効果があるのはやるかならないかしっかりできる人にしか効果なしということが小さく証明されました。
小さくでも始めることが大切ですので、どうか1秒、1gレベルからスタートしていただければと思います。

ヒロ🦻【えんの木】
実証的に支持された治療(EST)
1.科学者–実践家モデル
「臨床実践を行う実践家は、同時に科学者としての態度、すなわち研究結果を現場に生かし、自らも実践研究を行う態度も求められる」とする原型が、アメリカ心理学会(APA)によって1947年に採択された。(中野,1996)。そ
・してそのような実践家を育てるため1047年Eysenckがロンドンのモーズレイ病院に臨床心理学の訓練コースを開設した(丹野,2006)。精神分析療法や折衷的立場の心理療法の治療成績を取り上げて、心理療法が神経症に対する有効性のエビデンスを示せていないと主張(Eysenck, 1952)。
・この頃から現場における実践家は、研究で得られた成果をほとんど使っていないという問題が指摘されていた(Barlow, 1981)。
・1990年代から医療の領域で 「エビデンスに基づく医療(evidence-based medicine)」の概念が提唱(Guyatt et al., 1992)。エビデンスに基づく医療の影響で1993年にアメリカ心理学会の第12部会会長のBarlowの指示で心理学的手法普及促進特別委員会 (Task Force on Promotion and Dissemination of Psychological Procedures) が立ち上がる。
・1995年「実証的に評価された治療 (empirically validated treatment; 以下、EVT)」のリストが発表(Task Force on Promotion and Dissemination of Psychological Procedures, 1995)。
2.実証的に評価された治療 (empirically validated treatment)リストとは
・33件の文献をもとに18の「完成度の高い治療法 (well established treatments)」を同定、13件の文献をもとに7の「おそらく効果のある治療法 (probably efficacious treatments)」を同定、計46件の文献の7割以上がCBTや行動療法に関する文献だった。
・1996年 (Chambless et al., 1996) と 1998 年 (Chambless et al., 1998) に EVTの基準およびリストが更新、第12部会のニューズレター「The Clinical Psychologist」誌に公表。
【完成度の高い治療法としてのエビデンスを認められるための基準】
①2つ以上の研究機関(研究グループ)によって有効性が証明されていること
②マニュアルが備わっていること
③優れた(good) 実験デザインを用いていること
④プラセボ群や他の治療法との比較を行い統計的有意性が示されているか、有効性が証明された治療法と同等であることが示されていること(Chambless et al., 1998)。
・EVTは後に「実証的に支持された治療法 (empirically supported treatment; 以下、EST)」と名称を改め、2001年には特別委員会から常設委員会へ。
・2008年以降は毎年第12部会のウェブサイトでESTのリストの更新が行われている(Chambless & Ollendick, 2001; 三田村・武藤, 2012)。
・完成度の高い治療法とみなされる基準にシステマティックレビューが加えられ (Tolin et al., 2015)、初期は18だったものが2013年には200を超えている (Iwakabe, 2013)。
・ESTの基準は、グループ比較デザインだけではなくシングルケースデザイン(SCD)にも適用可能だが、他の介入技法との比較、統計的検定による有効性の検証などの条件によって、ほとんどが除外されることになる(O'Donohue & Ferguson, 2006)。実際に初期のリスト(Chambless et al., 1996)では、シングルケースデザイン研究に基づくエビデンスが3つの領域(遺糞症の行動変容、統合失調症への入院病棟におけるトークン・エコノミー法、発達障害児の行動変容)で認められていたが、次のリスト(Chambless et al., 1998)では遺糞症の行動変容のみとなった(Smith, 2013)。
・EST以降、公的機関で多くの精神疾患に対してCBTが推奨されるようになった(Holmes, 2002; Tolin et al., 2015)。
3.無作為対照化試験(randomized controlled trial; 以下、RCT)
・グループ比較デザインの中で最も上位の実験デザイン
・実証的に支持された治療が提唱されて以降、RCTによる研究が急増し、この基準は心理療法の効果研究に大きな影響を及ぼしている(Tolin et al., 2015)。
・多数の参加者を介入群と対照群などの2つ以上のグループに振り分け、介入の前後で各グループの従属変数(例えば平均値)の変化を統計的手法によって検証するグループ比較デザインの中で、参加者の振り分けを無作為に行う実験デザイン(丹後,2003)。
・多数標本や無作為化の操作によって種々の内的妥当性や外的妥当性を高めることができるとされている(石井,2015)。
・特定の疾患や障害に対する特定の介入技法の一般的な効果を検証することが可能であり、ガイドラインの策定に役立てることができる(山本・澁谷,2009)。
【参考文献】
仁藤・奥田・川上・岡本・山本(2021)精神科臨床における応用行動分析学の実践と研究, 行動分析学研究 第35巻 第2号
【ベストコメント】
無作為化視覚試験かな! ESTとETCと間違えてしまってました

