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にゃおん

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話題になっている関税交渉について、EUとの結果も米側のファクトシートが出ました。総論は専門家の分析を参考にしつつ、私の視点でごく一部にフォーカスして日本と比較してみたいと思います。

さて、着目したいのは、対米投資についての文言です。EUの合意のニュースのあと程なく「日本より経済規模の大きいEUの投資額が6000億ドルで日本の方が不利(失敗)」といった意見はネットで目につくところです。単純に額だけ見聞きするとそう思うのもわかります。が、ファクトシートを見てみると、文章自体にかなり違いがありました。
以下、原文です。
 
The EU will invest $600 billion in the United States over the course of President Trump’s term. This new investment is in addition to the over $100 billion EU companies already invest in the United States every year.
 
この「in addition to」以降がかなり強烈な印象です。今回の合意と関係なく従前から行われているEUの民間投資と別カウントと明記されています。
冒頭にも「make new investments of $600 billion in the United States, all by 2028」と記載されており、時期が明確に定められている点も日本とは異なりますね(日本側の認識として任期内とのことなので、この部分、実質的な差はあまりないかもしれませんが)。
 一方で、EUに関して、日本のように、利益を米国が保持するといった記載はありません。これをどう捉えるかですが、日本の場合は冒頭で「over $550 billion in a new Japanese/USA investment vehicle」と書かれており、ここからは5500億ドルの投資が、日米合同の投資ビークルによって行われるとわかります。これを加味すれば各論の米側がprofitの90%を保持するという書き方も、米側の持ち分に応じたスキームにも解せば不思議ではないです。EUの方が真水の持ち出しが多い印象です。(とはいえ日本についても、冒頭と各論の書き方にズレがある気もしますし、シンプルに米国がヤ○ザだという可能性も全然あるので笑、楽観はできません)。
 
 さて、以上をもって別段、日本とEUは関税交渉においてどちらがより有利だったかといった主張をしたいのではなく、米側の文書一つ見てもかなり違いがありつつもどちらも曖昧さが残り、判断が難しいという感想に尽きます。
 日本、EUいずれも米側と協同で作成した合意文書がないのであって、トランプさんの気分によって状況が厳しくなるという危うさに差は無いように思います。
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