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ぽちた

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東電が「原子力事業からの撤退」という株主提案を否決しつつ、柏崎刈羽原発7号機の再稼働を推進する今日この頃の、この一冊。

あらすじはというと、3.11の被災者救済チャリティーのためのアダルトビデオ制作を企画、原子炉建屋の前に各界の著名人を集めて...とかいう、不謹慎にも程がある小説。繰り返して言っとくけど、マジで不謹慎そのもの。被災者が読もうもんなら発狂必至。かくいう私も被災者の端くれだから、読んだ時期が違ったら怒り狂って破り捨てていたことと思う。その前に読めなかったか。

一部で話題にこそなったけど炎上まではしなかった。文学とは芸術の名の下に庇護され、どんな表現も許されるのか?いや、「表現の不自由展」とかが炎上した頃ならば大いに大炎上してたはずなんだけど、この本が世に出た時期のせいもあるだろうな。なんせ震災の年の11月に出版されたんだから。クレイジーとしか言いようがないタイミングでの発表だったんだけど、世の中まだ被災のショックやらで混沌としてたし、みんなして袋叩きにするほどの元気も結束力もなかったんだろう。

と、ここまで書いておいて私がこの本を忌み嫌っているのかといえば、そうでもない。この本に書かれていることは、無視できない問題や世間の汚なさに目を背けつつ、経済の恩恵と快楽を貪ってきた日本人の姿そのものであるからだ。

アダルトビデオとは、その裏にある汚いものの存在を一切無視して快楽を享受する姿勢のメタファーだし、安全や弱者の存在を蔑ろにしてまで経済発展とエネルギーの消費に邁進してきたこの国の、メインエンジンであったものこそ原発だ。

不快で優しくないやり方ではあるけど、不真面目を装いつつ「人ごとじゃなく考えようぜ」っていうまじめな提案をしているのがこの本の食ないところ。生真面目で純粋な人が読むのはいろいろマズい気がするので、お勧めは致しません。大丈夫そうな人は読んでみて。

無事じゃ済みそうにないない投稿ですが、勇気を持って置いていきます。

#原発 #東日本大地震 #高橋源一郎
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みり

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ここ一週間くらい出張先で過ごしているのだけど、殺人的な暑さにやられ頭もろくに働かない。
夜までなんとか乗り切るために、涼しい場所でしばしの休憩。

#さようならギャングたち
#高橋源一郎

出発の朝に、慌ただしく積読コーナーから引っ張り出してきた一冊にどハマり。
なんとも不思議な小説で、ちょっとイメージの羅列感もあって、シュールな世界観はビートの詩人の作品のようでもある。
翻訳小説のような文体も手伝って、異世界に飛んでいける。
おかげで少し外の暑さを忘れられた。

あと10分休んだら仕事に戻ります。

あと数日、水飲みまくってどうにか乗り切ろう。

#読書記録
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