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きゃろっと・らぺ
どうしてもかんがへださなければならない
とし子はみんなが死ぬとなづける
そのやりかたを通つて行き
それからさきどこへ行つたかわからない
それはおれたちの空間の方向ではかられない
感ぜられない方向を感じやうとするときは
たれだつてみんなぐるぐるする
《耳ごうど鳴つてさつぱり聞けなぐなつたんちやい》
さう甘へるやうに言つてから
たしかにあいつはじぶんのまはりの
眼にははつきりみえてゐる
なつかしいひとたちの声をきかなかつた
にはかに呼吸がとまり脈がうたなくなり
それからわたくしがはしつて行つたとき
あのきれいな眼が
なにかを索めるやうに空しくうごいてゐた
それはもうわたくしたちの空間を二度と見なかつた
それからあとであいつはなにを感じたらう
それはまだおれたちの世界の幻視をみ
おれたちのせかいの幻聴をきいたらう
わたくしがその耳もとで
遠いところから声をとつてきて
そらや愛やりんごや風、すべての勢力のたのしい根源
万象同帰のそのいみじい生物の名を
ちからいつぱいちからいつぱい叫んだとき
あいつは二へんうなづくやうに息をした
白い尖つたあごや頬がゆすれて
ちいさいときよくおどけたときにしたやうな
あんな偶然な顔つきにみえた
けれどもたしかにうなづいた
#青森挽歌
#宮沢賢治

きっと
客車のまどはみんな水族館の窓になる
乾いたでんしんばしらの列が
せはしく遷つてゐるらしい
きしやは銀河系の玲瓏レンズ
わたくしの汽車は北へ走つてゐるはづなのに
ここではみなみへかけてゐる
#宮沢賢治 #青森挽歌
SL銀河を乗り継ぎ
旅は樺太へ行きたいよ
今日は賢治先生の妹トシさんの祥月命日
アイスクリームを買って帰ります
きっと…
#SL銀河 6月のラストラン
#音楽をソッと置いておく人

挽歌
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