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きゃろっと・らぺ

きゃろっと・らぺ

かんがへださなければならないことは

どうしてもかんがへださなければならない

とし子はみんなが死ぬとなづける

そのやりかたを通つて行き

それからさきどこへ行つたかわからない

それはおれたちの空間の方向ではかられない

感ぜられない方向を感じやうとするときは

たれだつてみんなぐるぐるする

《耳ごうど鳴つてさつぱり聞けなぐなつたんちやい》

さう甘へるやうに言つてから

たしかにあいつはじぶんのまはりの

眼にははつきりみえてゐる

なつかしいひとたちの声をきかなかつた

にはかに呼吸がとまり脈がうたなくなり

それからわたくしがはしつて行つたとき

あのきれいな眼が

なにかを索めるやうに空しくうごいてゐた

それはもうわたくしたちの空間を二度と見なかつた

それからあとであいつはなにを感じたらう

それはまだおれたちの世界の幻視をみ

おれたちのせかいの幻聴をきいたらう

わたくしがその耳もとで

遠いところから声をとつてきて

そらや愛やりんごや風、すべての勢力のたのしい根源

万象同帰のそのいみじい生物の名を

ちからいつぱいちからいつぱい叫んだとき

あいつは二へんうなづくやうに息をした

白い尖つたあごや頬がゆすれて

ちいさいときよくおどけたときにしたやうな

あんな偶然な顔つきにみえた

けれどもたしかにうなづいた

#青森挽歌
#宮沢賢治
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GRAVITY12
きっと

きっと

旅へ出かけよう旅へ出かけよう
こんなやみよののはらのなかをゆくときは
客車のまどはみんな水族館の窓になる
乾いたでんしんばしらの列が
せはしく遷つてゐるらしい
きしやは銀河系の玲瓏レンズ

わたくしの汽車は北へ走つてゐるはづなのに
ここではみなみへかけてゐる
#宮沢賢治 #青森挽歌

SL銀河を乗り継ぎ
旅は樺太へ行きたいよ

今日は賢治先生の妹トシさんの祥月命日
アイスクリームを買って帰ります

きっと…
#SL銀河 6月のラストラン
#音楽をソッと置いておく人
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挽歌

Kozo Murashita

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