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ダイ

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2026年 10冊目

ちいちゃんのかげおくり



夏草や 兵どもが 夢の跡

を読んだ時(読み終わった時)に感じた、膨大すぎてどう捉えたらいいかわからない寂しさとか、想像の世界で、過ぎ去ってしまった過去の残像に目を瞠り悲しくなる気持ちとか、そういうものに似た読後感でした。

ヤドカリが家から逃げ出してしまったという、ありふれていると言えば言えるような日常の一コマから始まるのに、そこから展開される話は不思議な出来事が沢山起こり、それらがさも当たり前かのように描かれています。途中混乱しますが、なんでもありな世界線なんだなということを理解しておけば、目まぐるしく展開していく話にも自然と馴染んできます。

何を探しに行ったのか、なぜヤドカリは家から逃げ出したのか、なぜ禿げてもないのに鬘を沢山持っているのか、そういう各人物の背景も答え合わせされるんだろうと思いきや、全て明かされず。

僕はこういう時、消化不良でもどかしく感じるのですが、それも「みんな、それぞれに事情があるのだ」というその一文で納得させられてしまい、この文章を読んだ時に「素晴らしい小説だな」と感じ取りました。

わけがわからないながらも圧倒的な説得力がある、そんなファンタジー小説。

なつのひかり というタイトルも秀逸です。

なんとなく、Vanessa Carlton の San Franciscoが曲のイメージとして浮かびました。

#読書 #集英社文庫 #江國香織 #なつのひかり
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San Francisco

ヴァネッサ・カールトン

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