【読後感】あとがきに著者が毒入り林檎的小説と書いているけれど、本当に毒入りの人魚姫のお話だった。主人公の自己顕示欲と残酷さと寂しさは毒。でもその毒に惹き付けられる男性も毒。救いの無い話んだけど、わかる。否定できない心理描写にゾクッとした。あなたのパパは恋なの。恋をすると浮かぶ、目には見えないけれど。だから恋に落ちるなんて間違っている。わかる、わかるけれども。お姫様は王子様と幸せに暮らしましたで終わる物語は本当だろうかと思い始めてしまうお話。むしろ幸せに暮らしましたの後のお話。種明かしはしない主義なので言わないけれど王子様に一目会うためにナイフで切り裂かれそうな程足を痛めて突き進んだはずの人魚姫。最後は泡となって消えてしまいました。なぜならそれは、恋をしたからです。#人魚姫のくつ #野中柊 #ビー玉 #サーカス