恋人ではない彼のこと~進んでない夜~彼に、電話をかけた。私からの連絡は珍しいから、すぐに折り返しがあった。「何かあったんか?」「んーん。声が聞きたかっただけ」そう言うと、彼はそれ以上は踏み込まない。そういうところが、ずるい。でも、ほっとする。「元気しとんか?」「金曜日会ったばっかじゃん(笑)」今日は七夕だね、って言って、お星さま、見えるかな、って言って、たったそれだけの会話で、少しだけ呼吸が整う私がいる。「私は○くんを利用してるかもしれない」そう言った日のことを思い出す。「あおが俺を?(笑)そんなん気にせんでいいよ」そう答えた彼は、変わらない。でも、私も──少しも、進んでいない。#七夕の夜#恋人ではない彼のこと#進んでない夜