「辛さの種」それは、心のどこかに落ちて、ずっと痛みを残す、ちいさな種だった。最初は苦しくて、見ないふりをして、忘れたかった。でも、そのままでも、その種は静かに根を張っていた。涙を流した夜も、どうにか笑おうとした朝も、全部、その種に染み込んでいたのかもしれない。気づいた時には、そこに一本の木が立っていた。その木は、辛さの記憶を抱えながら、いつの間にか、大きな影を作っていた。---そして、その影の下には、気づけば「何かの住みか」ができていた。穏やかに笑う誰かや、安心して寄り添う誰かがいて、その場所には、心が落ち着く静けさがあった。辛かったあの時がなかったら、きっと、この場所は生まれなかった。辛さの種は、やがて僕の大切なものが住む、居場所を作ってくれたのかもしれない。【あとがき】辛さの種よ。どこか嫌なやつのところに行って、思う存分育ってください。……あ、根だけでいいよ!#そうの思考整理 #文章練習 #辛さの種