宿舎に向かうバスに乗る時チームリーダーの先輩に謝ると謝って済むならお巡りは要らん!と思いっきり蹴飛ばされ私はバスの外へ転がり落ちた死にたい気分だったバスの座席に戻っても出てくるのはため息ばかり外は暗く車窓に映る自分は何とも情けない顔をしていたしかしこのまま終わりたくはなかったなんとかこの借りを返したい一年間 心に残ったトラウマと闘いながら私は考え続けついに独自の野球スタイルをあみ出したのである守備に自信を得た私は打撃にも磨きがかかり攻守にわたる活躍で西鉄の黄金時代を支えたこの体験から得たことは単に野球の技術に関することばかりではなかった私を蹴飛ばした時の先輩の顔極悪人のように醜くゆがんだその顔はいまも忘れることができないまたバスの車窓に映った自分の顔は何とも情けなかった顔はその人の心をつぶさに表していることに私は気づいたのであるバッターボックスに立って相手ピッチャーの顔を見る緊張してこわばっていれば必ず甘い球が来るから私は逃さずはじき返した逆にキャッチャーのサインを冷静にのぞき込んでいる時は結構いい球が来る意識して見れば何気ない相手の表情からいろんなことが分かってくるチャンスに強いと言われた私のバッティングもそれに気づいていたことが大きい顔というのはバカにならないのであるしかし多くの人は自分の顔についてあまりにも無知である毎日鏡で顔を見ていてもちゃんと見ていないのだ特に責任ある立場の人にはもっと自分の顔に注意を払っていただきたいやはり人間一番いいのは"笑顔"である自分の生き方を貫いてきた人はニコッと笑っただけで相手の心をつかむことができる人生の辛酸を嘗め尽くしてきたお年寄りが時に見せる子供のような笑顔は接する者を何ともいえない嬉しい気持ちにさせるどんな組織でも上の人間から笑顔で明るく挨拶している会社はうまくいっているはずである顔というのは年とともに変わっていく若い頃の私はいま考えると恥ずかしくなるくらい生意気な顔をしていた野球選手として脂の乗っていた頃は 目つきが鋭いといって怖がられた現役を退いてからは人間的な幅も広がりそれが多少なりとも表情に反映されいるように思っている顔にはその人の生きざまが刻み込まれ、年とともに独自の味わいを醸し出してくるものだ顔はすべてを語るのだ#豊田泰光#西鉄ライオンズ#致知