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3番星

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終業時間後。のんびりと自転車を漕いで後数十メートルで自宅、とその時さしかかった交差点で坂の上から加速し猛スピードで降っていたキックボードに横から激突され吹っ飛ぶように横転しました。

後続車や原付バイクで二次被害になってはいけないと必死になって起き上がり、女の子を連れて交差点の端へ。血を流す女の子を見て一大事だと、自宅のガレージへ向かい役に立ちそうなのを家中から引っ掻き集めて無我夢中で手当てした。自分もあちこち痛い気がしたけど、構っていられず、どうしても親に言いたく無いと言う女の子を説得し、なんとか連絡を取ったその子のご両親へ引き渡して取り敢えずその場は解散となりました。

その後も気が動転している私は冷や汗が止まらず手足は震えていました。頭がふわふわしているのに重たい妙な感覚、暑いのに末端は冷えて動悸を感じ、呼吸音さえいつもの倍の音で聞こえて胸の辺りのチリチリが取れない中、電話が。

顔の骨にひび、腕に打撲と思ってたより大きな怪我であることが判明した女の子の親から警察を呼びます、と一言。

警察を呼ぶ事自体は構わないけど、言い方に引っ掛かりを覚えました。

そして再び現場に集まった当事者と警察。
この時に掛けられた警察からの心無いまさかの一言で私はかなり苦しめられました。



『あなた、轢き逃げですよ』



全てのことがどうでも良くなりました。

唐突に猛スピードのキックボードに突っ込まれ転倒したのは私です。

必死になって安全確保をしたのも、

応急処置をしたのだって私だ。

しかしその点は考慮されない。

親御さんに隠さず全てを話し、病院に行くと言うその親子に連絡先も渡したのに。

轢き逃げだって。


轢き逃げってなんなんでしょう。


私は目撃証言もあったにも関わらず加害者となり、どうやら借り物だったらしいキックボードの弁償まで任されました。

急に目の前が閉ざされ、納得行かず、それでも頭の中はパニックで俯くしかできなかった私に全てを見ていた近所の人や通り掛かりの車の中から見てた人までもが「あなたは悪く無いよ」と言ってくれました。

人前で泣くまいと決めたのに泣いてしまいました。ただ一言、大変でしたねと言ってくれるだけで救われたはずなのに。

#心無い一言#事故#轢き逃げ#警察苦手#キックボード

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