【連続GRAVITY小説】〜Gravity-Link〜第二章第二十話:暴かれた不在、繋がらない叫び【 深夜の密談 / あきっくすとぽち 】 ルームが静まり返った深夜、あきっくすはぽちからのビデオ通話に応じた。画面に映った彼はひどくやつれ、視線を泳がせていた。「あきっくすさん……。俺、体調を崩したんじゃなかったんです。直売会の前日、知らないアカウントからDMが届いて……『当日来たら、お前の過去を全部ルームでバラしてやる』って脅されたんです。それからスマホが変な動きをして、怖くて家から出られなかった……。みんなに合わせる顔がなくて、わん……なんて言える状況じゃなかったんです」 あきっくすは息を呑んだ。「……それが、カナタの言っていた『来られない事情』の正体なのか?」「たぶん、そうです。誰かが俺を監視して、カナタ……いや、きびさんに情報を流してたのか、それとも……。あきっくすさん、俺、どうすればいいのか分からなくて……!」 背後に蠢く「第三者の悪意」を感じ、あきっくすの背筋に冷たいものが走った。【 翌朝 / 限界を超えたまぁず 】 ルームのログには、今日もきびの明るいスタンプが踊っていた。『今日もみんなにハッピーが届きますように!✨』 その文字を見た瞬間、まぁずの中で何かが弾けた。 一晩中、彼女の裏アカウントの罵詈雑言を見つめ続けていた彼の指が、ついに全体チャットに怒りを叩きつけた。『きびさん、いい加減にしてください。……その笑顔、何重の仮面なんですか? 裏では俺たちのことを「気持ち悪い」って切り捨ててるくせに、よくそんな白々しいことが言えるな!』 ログが止まる。 ルームに参加している数十人のメンバーが、一斉に息を止めるのが画面越しに伝わるようだった。『……まぁずさん? 何を言ってるの……?』 きびの困惑した返信に、まぁずは止まらない。『「カナタ」なんて名前を使って、あきっくすさんを翻弄して、裏では俺たちの善意を泥だらけにする。……あんた、最低だよ!』 その直後、きびのアカウントが「ログアウト」の表示に変わった。逃げるように消えた彼女の不在が、ルームに重い沈黙をもたらした。【 賢者の提言と、献身者の告白 】 事態を静観していたテスターさんが、静かにログを刻む。『あきっくすさん。もはや感情の制御不能です。このルームは、一度「凍結(閉鎖)」すべきでしょう。これ以上の泥仕合は、誰も救わない。』 テスターさんの言葉は正論だった。しかし、あきっくすが閉鎖のボタンに指をかけようとしたその時——。 これまで裏方に徹していたゆかりさんが、初めて全体チャットで長いメッセージを投稿した。『待ってください! テスターさん、そして、まぁずさん。……完璧な人なんて、このルームに一人もいません。きびさんの闇を責める権利は、私たちにあるのでしょうか?』 ゆかりさんは続ける。『……私だって、そうです。まぁずさんのサポートをしながら、心のどこかで、あなたの純粋さを「利用しやすい」と思っていた自分がいなかったと言えば、嘘になります。私だって、醜い秘密を抱えてここに立っているんです』 完璧な事務局員だったゆかりさんの「告白」。 その言葉は、激情に駆られていたまぁずの動きを止め、凍りついたルームに、これまでとは違う種類の動揺を広げていった。【 崩壊の淵で 】 あきっくすは、激しく震えるスマホを握りしめた。 きびの悲鳴、まぁずの憤怒、ゆかりの覚悟、そしてぽちの恐怖。 すべてが絡み合い、もつれ、解けない結び目となってあきっくすに突きつけられている。「……閉じるなんて、できない」 あきっくすは、震える指でキーボードを叩き始めた。(つづく)#連続GRAVITY小説 #第20話#話が沢山になってますが大丈夫でしょうか? #ちゃんと収まるんだろうか #storysongちゃんと聴いてくれてる人もいるのでちゃんと選びます