⑤〈結論:本来性の残響と現前の不確定な回復〉対象者は、SNS を離れた短い時間帯に限り、世界の触覚的連続性がふたたび回復することを報告した。これは本来性が完全に消滅したのではなく、依然として微弱な残響として保持されている証左である。しかし主体は、どちらの私が真正なのかという問いに確定的な回答を与えられず、両者のあいだに漂い続ける。帰還は可能だが、それは常に暫定的で、主体はつねに揺らぎの縁に立たされる。#観測される私