どんな碁を打っても最終的に勝てばいい…そんな考え方があるほとんどの棋士は"碁は勝負に勝つことだ"といっているしかし勝つことだけの碁は底が浅くなり汚い碁になってしまいます私は違うんです芸のない碁で勝っても仕方がない…定石を究め尽くし揺るぎのない石の姿を形成していこうとするそれが芸ということです私は何よりもそれを大切にして碁を打つこれがしっかりできれば勝ちは結果として出てくるということですこれは厚みと実利に言い換えることができる厚みを重んずればどうしても実利を失う実利を重視すると厚みを失うことになる厚みは信用で実利は現金のようなもの眼前の現金を取るよりも信用を取ったほうがいまは損したようでも将来は何倍もの利になるということですね#藤沢秀行