久方ぶりの休日 私は花屋で季節の息吹を買った 仕事に追われる日々では 通り過ぎる景色さえも モノクロに見えていたが ふと手に取った芍薬の淡い色が 目に鮮やかに飛び込んでくる 家に帰り、花器を用意する 水の音、茎を切る感触、広がる香り 五感が覚醒していく 活けながら 「花は言葉を持たない詩人だ」と思った 彼らは黙って咲くだけで 忙しい現代人に「立ち止まれ」と囁く 完成した作品を眺めると 心の奥にたまっていた 疲れが少しずつ溶けていく 花は 季節の移り変わりを教えてくれるだけでなく 自分自身の内なる変化にも気づかせてくれる 今日という日を こうして慈しめたことに感謝しながら#今日の1枚#花は言葉を持たない詩人