自分から話しかけに行ったことが一度もなかったように思う。誰とも話さなくていいなら話題も考えなくていいしむしろ好都合と思っていて話しかけてくれたらひたすら相手の話にただ笑顔で耳を傾けていればいいって。おかげで聞き上手だよね、と誰からも印象が良く思われて誰からも嫌われずにいられる自分。あまり内面に深入りするほど今の社会人というのは余裕と関心を広く持ち合わせていないようだったので踏み込まれたくない自分にとってはかえってこの業界はオアシスかもとまで感じていたような気もする。そんな砂漠地帯の楽園に居ながらもカラカラに乾き切った喉元。充分に潤わせる飲み水ならある。なのにいくら注ぎ込んでも満たされず砂が風に飛ばされて消えていくような空虚感ばかりが募ってなんでこんな感じなの…かな。別に誰からも否定されない、かといって心から肯定してくれている存在がいるかどうか、そんな考え自体をなかったことにしたいくらいで。自分のことがよく分からないから人のことなんて分かりようがない。自分のことで精一杯だから人のことまで考えることができない。だけどなぜかいつも見ないふりしてた仄かに照らされる自分の中にあるどうにかしたいの小さな灯り。何かを望んだ人にだけはきっともう目の前に扉はあらわれていてその道は開かれているんじゃないかって。***#自分ではどうしようないことは#人が解決してくれることもあります#物語のらくがきちょう