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あやめ(小説の化け物
(ヒーローにシカめ)
幸せな家の、基礎が歪んだひどい
間違った家庭の、檻
もう、恐ろしい悪夢は終わった
ただ一人の、ヒーローに助けられたから
ヒーローは私の近くにいてくれる
私は返せるものがないことを
ヒーローにシカめった
母は、どうして小鳥を飼うの
父は、どうして私に教えるの
小鳥は、愛玩動物だった
ヒーローに言えていない
私は飛び方を知らないことを
言えていないのに
ヒーローはどうして分かってくれるの
私はまだ言えていない
小鳥は、芸を覚えるらしい
私に身についた、いろんなこと
私は、父母に言えなかったこと
朱色、のくちばし
小鳥は、飛べない
陽の光が檻の外であることを
報せる
神様に感謝する
私は神様にも言えない
ヒーローは飛び方を教える
分からないことを全部教えようと
本気だと分かる
とっくに気づいてしまったこと
疑いを治めて飛んでみる
もう飛んでもヒーローは離れない
遠いはずの縁が近くにいる
背中の大きなヒーロー
なのに少し上にいる
青空に浮かぶ
赤いけど緑の補色の
空のまあるい
ヒーローが近くにいる
とても大切な青空のくちばし
私はまだヒーローにシカめってる
あやめ(小説の化け物
(ひきこもり)
運命よ跪け
夢に見るのは恐ろしい甘美
暗闇に現れた後光の人
しかしずっと神はいない
外に出る力がない
錠のはずれた四角のカゴで
今もノブは頷かない
ここでゴッホは生きられない
マルクス主義のマキャベヴェリ
ルーターのバッハ
しかしずっと神はいない
運命よ跪け
いつかドアのノブ
こうべを垂れてそして進む
その時に暗闇を象徴する扉が顕現する
人の深淵のなんと深きことか
だからいっそ跪いてくれ
こんなに足が棒になっている
こんなに熱っぽく抱擁している
いっそドアの方が赤面するほどだ
どうか向こうから
先を歩むショーペンハウアー
我が始祖よ代わりに
その美しいフルートの
運命を奏でてくれ
ああ後光の人
愛してる後光の人
もう一度だけ現れてくれ
どうかどうか隔てたドアのそちらから
もう一度現れて
手をかけてノブのこうべを垂れてくれ
どうか愛してる
愛してるから
未来に進みたいんだ
いっそそちらが跪いてくれ
愛してる
愛してる
あと何度叫べばいい
ゴッホ
あやめ(小説の化け物
「人生にキミがいるから」
分からないのさ
君と俺が一緒になるのはどう?
君が俺の世界に招待を受け
数時間ばかり茶しばいて
どうにでもできるけれど
そのあと君が背中についてくれる?
君が俺を初めて見たとき
俺は怖れてた
恐れてちゃない
分からないのさ
ガールフレンドってやつが何なのか
それでも俺の人生に君が来た
なんでもしたっていい
だって君ほどの女性がいるから
分からないのさ
俺は君と何がしたいか
数時間ばかり茶しばいて
俺は君をどこにつれていく
ガールフレンドってやつが何なのか
それでも俺の人生に君が来た
君と俺が一緒になるのはどう?
きっとトワにも一緒でいられる
背中につれて安心させられる
だから俺の人生に君が来た
あやめ(小説の化け物
(みなもと甲斐性なし)
この関係に名前をつけよう
みなもよ
君との距離は測りかねる
だってこちら丸々と見つめているじゃないか
みなもよ
君との角度も測りかねる
どの立場からどの動機でモノを言っているんだ
みなもは内心で赤面する僕をうろんな目で見ている
水面というのは水溜まりというのか池というか
ただ水面と書いてみなもというじゃないか
要するに君は
すごく曖昧なんだ
みなもよ
君への態度が測りかねる
いつも君を考えさせるじゃないか
僕はまるでアナーキーじゃないか
すごく俗な陳腐な言葉ばかりが思いつく
こんなに熱した気持ちはないのに
この制限のある日本語では魔法まで使えない
みなもよ
君は僕をみているね
特別な距離感のはずだ
みなもよ
この関係に名前をつけよう
あやめ(小説の化け物
(現実のお前に)
「あなたはどうして……」
から続くシェイクスピアのロミジュリの一連の
まるで天地を穿つシーンがある
子供の私はロミオを
お前のヤンチャを見てお前で考えてみる
「ないな」
と強がる
物騒なことはよくあることだった
でもお前はそこに行くべきじゃなかった
「お前はどうして」
子供の私は止めようとしたけど
男のお前は押し除けた
まるで叶わない叫び声だった
ひとりになって文句言ったよ
これじゃロミジュリのバッドエンドだって
お前が悪いことは子供心にわかってた
まるで幽閉されたお前との距離は
地と塔より遠いみたい
もっと大きくなったら会いに行く
そういう気持ちがずっと消えない
なぜなら分かるよ
見て体験する歌劇の劇場の歌より
お前と私の縁はお前より腐ってるから
あやめ(小説の化け物
(素敵な人)
大前提に私は劣っている
普通じゃないの
違うから
拒まれる嘲われる嫉み視られる
だから孤立が大前提
私は当たり前に生きている
私は他者より優れてる
認めるけれど代わりに弱者は寄らないで
苦しいのなんて慣れてるの
寂しいのなんて慣れてるの
肌が冷たいのなんて同じことなの
なのに何故
利益もないのに優しくするの
私のこんなに冷たい肌の
大前提が裏切られる
冷たい方が心地よい
知らないんじゃないキミが悪いの
私のこんなに冷たい肌の
大前提が裏切られる
ほっとけないなんて言って時間の無駄なの
私は孤立が大前提
親も友達も私は知らないの
なんで私を通り過ぎてくれないの
冷たい方が心地よい
冷たい方が心地よい
大好きなんてキミが悪いの
私は孤高の一人歩き
歩幅が合わないのキミが悪いの
私は冷たい方が心地よい
体温が気持ち悪いのなんでなの
でもなんなの
全部キミが悪いの
でもなんなのねぇ
ねえ全部全部キミが助けてよ
あやめ(小説の化け物
「ILoveYou to」
それは手触りが柔らかい人
それは自分の身体より心より失えない人
愛してる
言われることに返せる語彙が見つからない
心底からの言葉が
「私も」
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