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たなか
君が笑った、それだけで僕も笑う。
そうすると笑った僕を見て君がまた笑う、それで僕も照れ臭さまじりで笑う、それを見て意地悪に君が笑い、僕はこんな人といられる事が嬉しくて笑う。
きっと僕らは、どちらかが動かなくなるまで、笑い続けるだろう。
君は少し前に笑わなくなったけど、僕は君の笑顔を思い出してまた笑う。
写真立ての写真は全て笑顔だった。
遺影まで二人で笑顔の写真なのだから、二人でまた笑った。ありがとう
ヒサカタハルカ
心の支えになるのです
晴れた朝にも 雨の夜にも
皆を静かに見守って
スカイツリーは忙しい
テレビやラジオ タクシーと
いろんな電波を遠くまで
スカイツリーは七色に優しく街を照らします
まるで光で歌うよう
スカイツリーのよいところ
7つ数えてまいりましょう
背が高くて 色白で
優しい姿 凛として
虹に輝き 街を照らし
働き者で物静か
私の好きな人もよく
スカイツリーに似ています
#自作の詩
ちなみに曲もあって、歌になっています。


陽炎
誰も知らない
今日 ひとりの男が電車に飛び込んで死んだ
理由は誰も知らない
朝のラッシュ時だった
駅は通勤客でごったがえしていた
アナウンスが流れる
「○○駅にて人身事故のため 電車大幅に遅れています」
人々は口々に云う
「この忙しい時間に」
「死ぬなら他でやればいい」と
男はとある出版会社に勤めていた
毎日が残業の日々だった
月200時間を超えることもザラだった
上司に窮状を訴えたところで
俺たちの時代は 残業なんてまだマシなほうで
徹夜なんてこともよくあったな などと
云われるだけならまだしも
仕事もできないくせに生意気云うな と
いらぬ説教をされるのが関の山だった
増え続ける書類の山
処理仕切れる仕切れないは問題ではない
仕事ができないと思われたくなくて
ただ一心に仕事しただけだった
誰よりも遅くまで残って仕事した
終電を逃すことなんて日常だった
タクシーなんて高くて使えないから
仕方なくトボトボと夜道を歩いて帰った
路上に座り込んでる呑んだくれのサラリーマン
何をするあてどもなく 街を徘徊している少年少女たち
青白い街灯の下に群がる 無数の虫
誰もが居場所を探して
居場所なんてどこにもないと思い知る
ただほんの少し ほんの少し
夜の帳に隠れていたいだけなんだ
たぶん いやきっと
深夜ようやく部屋に辿り着くともう何もしたくなくて
倒れるようにベッドにへたりこんだ
疲れているのに あの書類の山に埋もれて
窒息する夢を何度も見る
だからうまく眠れない
朝5時半 無情の目覚まし
今日も長い一日が始まる
このまま会社行きたくないな
でも行かなかったら 即クビにされるだけだし
睡眠不足と疲れからうまく頭が働かないまま着替えて部屋を出た
だけどどうにも足が重い
月200時間の残業はサービス残業で
もちろん残業代なんて出してはもらえない
一体なんのために働いているのだろう
仕事を替えればいいだろうと他人は簡単に口にする
一体 いつ新しい仕事を探しに行けっていうんだ
駅のホーム ごった返す人ゴミの中
もうこの中にはいられない
どうすれば今日 会社へ行かなくて済むだろう
そう思っているうちに 自然に足が前に向いていた
通勤時間帯の事故 誰もが忙しなさそうに
電車遅延のアナウンスに舌打ちしている
たった今 人がひとり死んだことなんてどうでもよく
それよりも私たちは
朝の会議に間に合うかどうかの方を気にしてしまう
震災や事故 戦争で亡くなった多くの犠牲者には手を合わせ祈ることができても
この電車を止めた自殺者はただの迷惑な存在でしかないのか
命は尊いものだったはずじゃないのか
それとも 生きることを諦めてしまったものには
それすらないということなのか
人ひとりの命にどれだけの価値があるんだろうか
身近な人じゃなくても
見ず知らずの誰かでも
男は会社の駒としてこき使われ
社会の犠牲になって死んだ
その男は もしかしたら自分だったかもしれない
もしかしたら そこでケータイ弄ってるあなただったかもしれない
明日どうなるのかなんて 誰にもわからない
今いる私たちのいる場所は 決して安全な場所なんかじゃない
それでも私たちは 振替運行の証明書を手に
朝っぱらからイライラさせんなよ
メーワクだよまったく
そうして足早に それぞれ勤務先へと向かっていく
いつか自分が 白線の外側に立っているかもしれないなんて
想像すらできないままに
今日 ひとりの男が電車に飛び込んで死んだ
理由は誰も知らない

陽炎
#悩み多き感情たちの詩
喜 と 楽 問題
喜びくんは密かに悩んでいた
ボクは嬉しいから喜ぶ
笑顔になる
けど よくよく考えると嬉しいってなんだ?
楽しい子ちゃんがいつも云う口癖
楽しいってシアワセ
シアワセがいつだって
わたしを笑わせてくれる
笑う門にはなんとやらって
ほんとそれ
笑ってシアワセでいられるなんて
こんなに嬉しいことはないわ
って
てことはつまり
楽しい子ちゃんが嬉しいを生み出してるってことなのか
楽しい子ちゃんがいなけりゃ
ボクも存在してないってことなんじゃ?
喜びくんの悩みは尽きない
夜はまだまだ長い

陽炎
供述
今日ぼくは 人をひとり殺しました
気の早いクリスマスソングが
街中に流れはじめたから
きらびやかなイルミネーションが
とてもとてもキレイで眩しすぎたから
今日ぼくは 人をひとり殺しました
通りすがりの見知らぬ人でした
黒いロングコートを着ていました
きらびやかな街並に似つかわしくない感じの人でした
仕事の帰りなのでしょうか
ひどく浮かない顔をしているように ぼくには見えました
深く深くついたため息がぼくの鼻腔をくすぐり
ふとタバコ臭いにおいがして 少し嫌な気持ちになりました
その人は 自分のついたため息がまるで胎児を包む羊膜のように
護られているようでいながら
一方で閉じ込められてでもいるかのような
不思議な生き苦しさを纏っているかのような
そんな感じの人でした
今日ぼくは 人をひとり殺しました
彼が醸し出す そこはかとないふしあわせな空気感が
ぼくの胸ぐらを掴んで離しませんでした
大きなクリスマスツリーをぼんやり見やりながら
虚ろな表情を浮かべて笑っているのが やけに印象的でした
ふいに西風が ぼくの頬を弄るように去っていきました
瞬間 かすかにささやくような声が聞こえたような気がしました
雑踏にかき消されてしまいそうなほど小さく か細い声でしたが
たしかにぼくは その声を捉えました
頭から電流を流されたような気持ちでした
ああ この人はぼくだ
生きるのに疲れてるとか 絶望してるとか
そんな言葉では片づけられない思いを抱えている
クリスマスが終われば すぐ新しい年が来てしまう
また一年が始まってしまう
元旦にご来光を拝むようなそんな人ならば
きっとまた その一年を
何が起きても 切り抜けていけるかもしれない
だけど だけど違うんだ
また新しい一年が始まってしまうこと
これから起こる出来事が なんとなく予想できてしまって
その細い肩の上に重く圧し掛かってくる
終わりにしたい 終わりにしたい
跡形もなく 何もなかったことのようになりたがってる
ぼくは核心的にそう確信しました
ぼくは なんだかよくわからないものにひどく興奮し
そうしてわなわなと全身を震わせました
湧き上がる欲求を 抑えることができませんでした
だから殺しました
間違いありません
ぼくが殺ったんです
相変わらず街にはクリスマスソングが流れ続けていました
ジングルベル
ジングルベル 鈴がなる
ジングルベル
ジングルベル
誰のために鈴はなる
ジングルベル ジングルベル
ぼくのためのベルは多分
もう一生鳴ることはないのでしょうね
今日ぼくは 人をひとり殺しました
あまりにもかなしそうな顔をしていたから
あしたはきっと
誰かがぼくを 殺してくれる


陽炎
からいツライ
からい、という味覚はないらしい
からいものを食べてからいと感じているのは
実は痛いという感覚らしい
何故辛いという漢字がツライとも読むのか
解ったような気がした

陽炎
#悩み多き感情たちの詩
涙は一体誰のもの
ある日の真夜中のことでした
感情たちが一同集まって
涙は一体誰のものかという議論になりました
開口一番に手を挙げた悲しみちゃん
そんなの私のものに決まってるじゃない
すると横から淋しがり屋くんがすかさず手を挙げて
いやいや ボクのものに決まってるじゃないかと
わたしのものよとツライちゃん
ボクのものだと苦しみくん
もしも涙が他の誰かのものだったら
この先どうやって生きていったらわからないと嘆きはじめる不安がりちゃん
誰もがこぞって自分のものだと云って譲りません
そのうち怒りんぼくんが突然怒りだしました みんなの主張は解らなくはない
悲しみちゃんにしても淋しがり屋くんにしても
ツライちゃんにしても苦しみくんしても
不安がりちゃんしたって
涙はクスリみたいなもので
なくてはならない必要なものだってのはよく解る
けどさ 楽しがりちゃんや喜びくんまでもが
自分のものだって主張するのはなんか違わないか?
楽しがりちゃんも喜びくんも
他にたくさん持ってるじゃないか
笑いとかドキドキワクワクした気持ちとか
フットワークの軽さとかさ
それなのに 涙までも自分のものにしたいなんてズルいよ不公平だよ と
やさしさちゃんが静かにそっと
割って入ります
まぁまぁ 怒りんぼくん落ちついて
こういうときはやっぱり
平等に分け合うっていうのはどうかな
誰かひとりのものって決めるんじゃなくさ
なくなったらまたすぐ補給すればいいんだもの
それでも足りないときは
私の分の涙 あげるから
ね そうしよ
デジタル電波時計が
ちょうど午前3時33分を示していました
ねぇ 話してたらなんかノド渇かない?
今からみんなでコンビニに
飲み物でも買いに行こうよ
ポカリかアクエリがいいかなやっぱり
涙とほぼ成分一緒だし
あ 私ほっとレモンが飲みたい気分

陽炎
君の心のほんの1mmズレた場所
君の心の ほんの1㎜ズレた場所
君の心の ほんの1㎜ズレた場所には
誰も触れることのできない
奇妙な花が咲いている
君の心の ほんの1㎜ズレた場所
君の心の ほんの1㎜ズレた場所には
啼くのを忘れた小鳥が一羽
青い空に遊んでる
君の心の ほんの1㎜ズレた場所
君の心の ほんの1㎜ズレた場所には
誰に聞かすでもない音楽が
いつまでも鳴り響いてる
君の心の ほんの1㎜ズレた場所
君の心の ほんの1㎜ズレた場所には
忘れられた尋ね人のポスターが
剥がれかけて揺れている
君の心の ほんの1㎜ズレた場所
君の心の ほんの1㎜ズレた場所には
人っ子ひとり いやしない
君の心の ほんの1㎜ズレた場所
君の心の ほんの1㎜ズレた場所で
君は深く深く 息を吸い込むだろう
君の心の ほんの1㎜ズレた場所
君の心の ほんの1㎜ズレた場所で
君は どんな夢を見るのだろうか
君の心の ほんの1㎜ズレた場所
君の心の ほんの1㎜ズレた場所で
君はひとり 笑みを浮かべている
君の心の ほんの1㎜ズレた場所
君の心の ほんの1㎜ズレた場所で
君は

陽炎
たとえばボクが死んだら
たとえばボクが死んだとしても
きっと君は泣かないことをボクは知っている
それでいい それがいい
それよりも 一緒に行ったエレカシやみゆきのライブのことや一緒に観た映画のこと
神保町でカレー屋さんを探して道に迷ったことや
目黒川や井の頭公園や小金井公園
上野恩賜公園で見た桜がきれいだったこと
中野の路地裏で真っ白な灰になってたジョー
東京タワーの展望台 ガラス張りんとこでキャーキャー云いながら度胸試し
池袋サンシャインのプラネタリウム
あんなにぐるぐる回転するなんてね
思いもしなかったよね
ムーミンバレーパーク
三鷹の森美術館
深大寺 鬼太郎茶屋
歌声喫茶なんておかしな喫茶店に迷い込んでしまったことや
ただただ お茶しながら他愛ない話で笑いあったこと
そんな とても些細でささやかなことを
君が何もすることもなく
ほんの片手間な時でいいから
時々そっと思い出してくれたら
笑って思い出してくれたら
もうそれだけで とっても嬉しいよ
ボクも絶対ぜったい そうするからさ
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陽炎
#悩み多き感情たちの詩
フタなんて出来やしない
好きっていう気持ちは
どうしてこんなに臆病にしてしまうのだろう
傷つきたくない嫌われたくない傷つけたくもない
あの笑顔が壊れる瞬間の
あの感じがたまらなくコワくて
でも好きは止められなくて
あふれないようにこぼれないに
そ~っとそ~っと
あ~あ
ほらまたこぼれちゃった

陽炎
回答数 5>>
稚拙ですが、もし興味ありましたら[大笑い]

陽炎
#悩み多き感情たちの詩
疑いようもないわたしたち
素直ちゃんは疑うということを知りません
小さい頃 両親がいつも互いを罵りあっていて
次の朝にはいっつも
お父さんとお母さんは仲が悪いわけじゃないんだと
何もなかったかのごとく トーストを齧っていても
一度だけ お父さんお母さん それに弟と
遊園地に連れて行ってもらったことがあって
楽しくって楽しすぎてついついはしゃいでしまい
お母さんがせっかく買ってくれたソフトクリームを落っことしてしまいました
お母さん また買ってきてあげるからここで待ってなさいって云って
弟の手を引いて行ったまんま
二度と戻っては来ず
ぽつんと置き去りにされてしまっても
お父さんと二人きりになって
お父さんに新しい女の人が出来ても
あんまりかまってはくれなかったけど
忙しくってそれどころじゃないって
素直ちゃんは何も疑いもせず
ただ素直にその状況を受け入れていました
息を吐くように嘘ばかりついている嘘つきくん
保育園のときからのたったひとりの幼馴染で
とても仲が良かったのですが
何も疑うことを知らない素直ちゃんを
いつもからかっては
嘘つきくんは面白がってばかりいました
けれども素直ちゃんは
そんな嘘つきくんの嘘もからかいも
嘘だとは面白がってるなんて
疑がいもしないのです
何故かと云うと
嘘をついている嘘つきくんその人自身は
本当だとわかっているから
なのでした

陽炎
#悩み多き感情たちの詩
届かないSOS
滅多に弱音を吐かない我慢くんが
ある夜もう無理 限界かもしれない
助けてください、と仲間たちに電話を掛けました
誰もがあの我慢くんが助けを求めるなんてと
驚き戸惑いを隠せませんでしたが
口々にこう云って慰めました
大丈夫だよ我慢くんなら
きっと乗り越えていけるよ
ダメだなんて決めつけたらダメ
キミは弱くない 強い子なんだから
気持ちをしっかり持って
大丈夫大丈夫
それよりさ 聞いてよ
この間めちゃくちゃイヤなことがあってさぁ
助けを求めたはずの我慢くんのSOSは
いつの間に 仲間たちのSOSに取って代わられてしまいました
我慢くんは深く深くため息をつきました
本当にどうしょうもなく助けてほしくても
結局また 我慢するよりほかないのか
仕方ない 仕方ない
これがきっとボクの運命なのだ
誰に聞こえるでもなくそう呟いて
無惨にも空に飛ばされて砕け散っていったSOSを
いつまでも いつまでも
諦めきれない目で
追うばかりなのでした

陽炎
#悩み多き感情たちの詩
からいツライ
ねぇねぇツライちゃん
ツライちゃんってカラいもの好きなの?
カレーだったら何カラ?
ハバネロとか激辛とか平気だったり?
デスソースとか掛けちゃったり?
ツライちゃんはちょっと困った顔をして云いました
あたしってもひとつの呼び名が辛いだから
そう思われがちなんだけど
ホント云うとね カラいって味覚はなくて
あれは痛いって感覚なの
カラいもの食べて痛かったら
そりゃぁツラくもなるでしょ
ね そうは思わない?
って

陽炎
#悩み多き感情たちの詩
イライラくんの憂鬱
イライラくんと怒りんぼくんはいつも一緒なので
誰からも仲がいいと思われていた
けれども本当は
イライラくんは怒りんぼくんがあまり好きじゃなかった
すぐに怒鳴るしモノにあたっては壊したり
誰かにヒドイコトバを投げつけたり叩いたり
怒りんぼくんがこうなるのは
全部イライラくんのせいだって
イライラを抑えられないからこうなるんだ
と云ってボクが悪いみたいにしてしまう
怒りんぼくんのせいでボクはこんなにも
イライラしてしまうっていうのに
全部ぜんぶ怒りんぼくんが悪いのに
怒りんぼくんのせいなのに
けれどもどうしても
どうしても キライだとは
あっち行けとは云えなくて
もう遊ばないよ とも云えなくて
今日もこうして 怒りんぼくんの家で
カラムーチョ食べながら2人して
Switchに熱中しちゃってるっていう
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