映画【ある男】の感想(その1)ある男が亡くなってその男の兄が仏壇に手を合わせにきてから物語が転がり始める…この男は誰ですか?となる話。愛した男の素性がわからない。背乗り(はいのり)の話。(工作員や犯罪者などが戸籍を乗っ取ってその人物に偽装することを指す警察用語らしい。)近年では限界集落などに他の国籍の人間が日本人国籍になるためにもとの住人を殺めてまで"なりすまし"してそうではある。安藤サクラさんとか柄本明さんとか仲野太賀さんとか演技に定評のある役者さんを使いながらも演技のリアリティラインをものすごく下げて撮った作品。あえて下げることができるのは役者さん凄いと思います。【悪人】の時の満島ひかりさんのお父さん役の柄本明さんとは思えないTVドラマのライアーゲームのような無駄に語り出すわかりやすい悪役風をやってるのでリアリティのラインがわからなくなります。ライアーゲーム的なデスゲームのTVドラマならまだキャラクターを際立たせるためにあのような演技はあっても良いと思えるのですが、観客に何を監督は見せたいのか?犯人や怪しいと目される人物が雄弁に語り出す火曜サスペンスドラマなのか?なんなのかわからない。ティムバートンのバットマンの敵役のように柄本明さんにキャラ付けしてるからもう人間ドラマをやりたいのか?なんなのかが全くわからない。主人公的に途中から立ち回るのが妻夫木聡さん演じる日系3世の在日の弁護士。このキャラクターの感情の発露をするシーンでも、TVドラマ的なキレ方。わかりやすい記号的な怒り。(その2)へ続く#ある男#映画感想#背乗り#悪人#柄本明