【臨床家が解説する看護師国試の解き方解説】=老年看護事例=【状況設定問題】Aさん(88歳、男性)は妻(82歳)と2人で暮らしている。息子2人は独立して生活している。要介護度は5で、エアマットレスを使用している。食事は妻の介助で1日1回ペースト食を食べているがむせることもあり、食事が全くとれない日もある。排泄はオムツを使用し、毎日訪問介護サービスを利用して、オムツ交換と陰部洗浄を受けている。訪問看護は週3回利用している。Aさんは妻が話しかけると返事はするが自発的な会話はない。着替えをするときに上肢を動かすと苦痛表情がある。<問題1>Aさんの家族への助言で適切なのはどれか。1.体位変換を2時間ごとに行う。2.関節可動域訓練を1週間に1回行う。3.ペースト食を食べる回数を1日3回にする。4.食事を摂取できないときにも口腔ケアを実施する<問題2>このときの訪問看護師の対応で適切なのはどれか。2か月後、Aさんは食事を口から食べることができなくなり、かかりつけの医師から家族へ、そろそろ看取りの時期であり、看取りの場所を決めるように説明があった。息子たちから「父が長年住んだ家で最期まで過ごさせてあげたいと母とも話していますが、母が1人でみるのは大変だと思い心配しています」と訪問看護師に話があった。 1.看取りまでの支援体制を説明する。2.血圧が低下したら入院が必要なことを説明する。3.決定した看取りの場所は変更できないことを伝える。4.かかりつけの医師と訪問看護師で治療方法を決定する。<問題3> このときの妻への声かけで適切なのはどれか。Aさんは声をかけても返答したり目を開けたりすることもなく、穏やかな表情で眠っていることが多くなった。Aさんの妻は「夫は話しかけても何も答えてくれないので、どうしたらよいか分かりません」と訪問看護師に話した。1.「Aさんの体にできるだけ触れるようにしましょう」2.「Aさんは苦痛を感じることはありません」3.「Aさんが休めるよう静かにしましょう」4.「Aさんの世話を頑張りましょう」【答え】問題1 4、問題2 1、問題3 1**【解説のポイント】**老年看護に関する問題になります。問題文で重要なポイントピックアップしつつ、患者の状態をイメージすることが大事です!要介護5で、エアマットを使用している。→自力では動けないのかな?といったことが想像できます。食事介助は妻。むせることもある。食事をとれていない日もある。→むせているため、誤嚥性肺炎などの急変に関することが問題になるかも。妻が話しかけると返事はするが自発的な会話はない。→もしかしたら、認知症が進行しているのでは。【解説】問題11. 要介護5から考えると、介護者が体位変換を実施することが適当のように感じますが、間違いです。近年、エアマットの場合、2時間毎の体位変換が不要とのエビデンスが出てきています。さらに老老介護の状況で2時間毎体位変換は現実的に難しいと思います。2. 「上肢を動かすと痛みを感じる。」と本文に記載があるため、選びがちですが、こちらも間違いです。もし、実施することを家族に指導する場合、頻度が少ないことがポイントです。1週間に一度ではなく、もーし可能であれば1日1回などより短期的に実施する必要があります。3. 1日1回の食事では、食事量が少ないため食事量を増やすことを目的するのか?それとも、1回量を減らして、頻度を増やすことを検討しているのか。判断が難しいですが、こちらも間違いです。すでに嚥下機能が低下し1日1回でむせている状況があります。ここで回数を増やしてしまうと、むせる回数が増加し状態悪化につながる可能性があります。4. これが正解です。口腔ケアを実施することで、口腔内を清潔に保つことにつながります。問題2看取りの場面に対する対応になります。家族の意向をよく読み、医師や訪問看護師の対応を考えてみましょう。「家族は慣れ親しんだ自宅での看取りを希望しています。」そのため、家族の意向に添えるように対応する。1が正解になります。少し悩ましい回答は「3.血圧低下時の対応」かなと思います。これも医師・訪問看護師と家族で一緒に検討するべき内容になりますので、一方的な決定ではなく、家族の覚悟や思いに沿って聞けることが正解になります。問題3反応がほとんどなくなってしまったA氏への対応に妻が困惑されています。こんな時、どんな声かけをしますか?感情的な話になって解説ではないかもしれませんが、「ここは家族に寄り添った返答が正解になると思います。」反応がなくなって不安であること、辛いと妻は思っています。しかし、「反応は伝わっていること。反応を返すことが難しい状況にあるだけであること。」とA氏の現状を伝えることで、妻に安心感を伝えつつ、継続的にケアや触れ合いを続けられるように返答することが正解になります。よって、正解は1になります。ここまで、読んでくださってありがとうございます!**分からない、もっと知りたいということがあれば、コメントください!もしかしたら、次の投稿につながるかもです!**#看護師#看護学生 #老年看護 #状況設定問題 #114回看護師国家試験