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あきっくす😗

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【連続GRAVITY小説】
〜Gravity-Link〜
第三章 ~彼らが捧げる、たった一つの純情~

第55話:計算不能の着地点

深夜の「Gravity-Link」に流れるログは、まるで張り詰めた糸のようだった。テスターは、暗い部屋で一人、画面を見つめていた。**仔猫(アイリス)**が暴いた彼の秘密は、今や隠しようのない事実としてそこに残っている。
「テスターさん。あなたの気持ち、ずっと前から気づいていましたよ」
静寂を破ったのは、けーぞーの穏やかな言葉だった。彼女の綴る文字には、彼への拒絶ではなく、深い感謝と誠実さが込められていた。
「あなたが私たちのために、どれほど心を砕いてくれていたか。その優しさに、私は何度も救われました」
テスターは眼鏡を外し、熱を持った目元を指で押さえた。彼の一人称は、心の中でだけ、幼いほどに正直な響きを帯びる。
(……わかっているんだ。彼女が誰を敬愛し、誰を支えにしているのか。僕の知性は、最初から答えを導き出していたはずなのに)
彼はキーボードを叩こうとして、一度止めた。ここで想いをぶつけ、カップルになることを望むのは、彼の美学に反していた。テスターにとっての「純愛」とは、彼女が彼女らしく、一番幸せな場所で笑っていられることだったからだ。
「……計算違いでした。けーぞーさん、あなたの純粋さに、僕の論理は完敗です」
テスターは、潔くそう書き込んだ。それは、彼が自分の恋心に区切りをつけた瞬間だった。彼はカップルになる道を選ばず、これからも彼女の知的な盾として、付かず離れずの距離で守り続けることを誓ったのだ。
その大人のやり取りを、固唾を呑んで見守っていた男がいた。ニトだ。彼はテスターと同じ四十代前半の同世代として、その引き際の鮮やかさに強く胸を打たれていた。
(あんなに綺麗に、自分の想いにケリをつけられるものなのか……?)
ニトは、自分の指先が熱くなっているのを感じた。テスターが示した「静かな純愛」は、ルームに深い感動を残して幕を閉じる。しかし、その熱は、ニトの心の中に眠るもっと情熱的な何かを呼び覚まそうとしていた。
夜明けの光が、街を白く染めていく。テスターの物語は終わったが、それは新しい恋の嵐が吹き荒れる前触れに過ぎなかった。


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音田雅則

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