【連続GRAVITY小説】〜Gravity-Link〜外伝女子たちの審判場所:あきっくすのルーム(音声ルーム内)時間:午後11時30分画面越しに流れるジャズが、今夜はやけに冷たく感じられた。ルームの空気は、張り詰めた糸のように緊張している。その中心にいるのは、感情の波に飲まれたまぁずだった。「萌々さん、今日も俺の隣にいてくれ。あんたの笑い声がないと、俺の夜は明けないんだ」彼の言葉には、隠しきれない独占欲が混じっていた。萌々はいつものように「あははッ! まぁずさんは情熱的ですねッ!」と明るく笑う。だが、その無邪気な笑い声さえ、今のルームではどこか虚しく響いていた。沈黙を破ったのは、ルームのまとめ役であるもちこの声だった。「ねえ、まぁずさん。少し黙って聞きなさいよ」その冷たい響きに、誰もが息を呑んだ。続いてきびが、追い打ちをかけるようにマイクをオンにする。「そうよ。ずっとそばにいたゆかりさんの気持ちを無視して、新しい子にベタベタして……。大人の男として、見ていて恥ずかしくないの?」「……何だと? 俺はただ、自分の心に嘘をつきたくないだけだ!」まぁずが声を荒らげる。しかし、もちこの言葉は鋭い刃のように、彼の言い分を切り裂いていく。「嘘をつかないことと、身勝手に振る舞うことは違うわ。あんたのその『情熱』が、周りをどれだけ嫌な気持ちにさせているか考えなさいよ」ルームはまるで「公開裁判」の場と化していた。追い詰められ、孤立していくまぁず。その時、チャット欄に仔猫の文字が静かに浮かび上がった。『……あら、正義の味方の登場ね。でも、本当の気持ちを閉じ込めるのが、大人としての正解かしら?』そのささやきが、まぁずの意固地な心に再び火を灯す。その時だった。マイクはオフのままだが、ゆかりが入室してきた。彼女は何も語らない。ただ、もちこの厳しい正論に対して、一つだけ「いいね」のリアクションを残すと、影のように去っていった。その「いいね」に込められた悲しみに、まぁずは気づかない。「ああ、もううるさい! 俺の勝手だろ!」叫ぶまぁずに対し、管理人のあきっくすがついに重い口を開いた。「皆さん、そこまでです。……まぁずさん、今のあなたは熱くなりすぎて、周りが見えていない。私から見ても、今のあなたは自分勝手です。今夜は一度ログアウトして、一人で頭を冷やしなさい」管理人の静かな一言で、激しい言い争いは幕を閉じた。しかし、まぁずの心に残ったのは、仲間への不信感と、萌々への深い執着だけだった。(つづく)#連続GRAVITY小説 #第47話 #まぁずさんなんかごめんなさい #この物語はフィクションです #storysong