【連続GRAVITY小説】〜Gravity-Link〜第三十七話:キャンバスに祈りを ―けーぞーの視点― 手元のキャンバスに、淡い青とオレンジを混ぜ合わせる。それはまるで、今の「Gravity-Link」そのもののようだった。静かに流れる会話の裏で、いくつもの感情が熱を持って混ざり合っている。 管理人のあきっくすさんが穏やかに語り、それに応えるようにもちこさんが楽しそうに笑う。葵さんは落ち着いた声で知的な言葉を添え、男性メンバーのやざわさんが時折、温かい冗談で場を和ませていた。この年長者たちが作る安定した空気の中で、若者たちはもがいている。 ゆかりさんを巡る、まぁずさんの熱いアプローチと、二都さんの冷たくも鋭い執着。「みんな、一生懸命なのね」 私は筆を止め、彼らの声に耳を澄ませる。恋という名の不規則な色が、少しずつこのルームの景色を塗り変えようとしていた。 その時だった。軍師の異名を持つテスターさんが、氷のような声で私に問いかけてきた。「もしこの場所の色が一晩で塗り替えられてしまったとしたら。あなたは最後まで、その筆を持ち続けられますか?」 ルームに、一瞬の沈黙が走る。それは、あきっくすさんの作ったこの平穏がいつか壊れることを予言するような、重い言葉だった。 でも、私は怖くなかった。テスターさんは、この場所が大切だからこそ、いつか失うことを誰よりも恐れている。彼の冷たい問いは、私には震える背伸びのように感じられた。「テスターさん。色が混ざり合うのは、壊れることじゃないのよ。それは、新しい絵が生まれる前触れだと思わない?」 私は全メンバーの顔を思い浮かべながら、ゆっくりと続けた。「たとえ何が起きても、私はこの筆を離さないわ。みんなが描くどんな色も、私が全部受け止めて、もっと素敵な景色に変えてみせるから」 あきっくすさんが静かに微笑んだ気配がした。夜の静寂の中、私は新しい色をパレットに乗せる。明日、このキャンバスには一体どんな未来が描かれるのだろう。#連続GRAVITY小説 #第37話 #けーぞーさんの視点 #この物語はフィクションです #storysong