【連続GRAVITY小説】〜Gravity-Link〜第三十四話:揺れる天秤 ―ゆかりの視点―夜 21:30 ゆかりの自室 パソコンの画面を開き、あきっくすさんのルームに入室する。日中の疲れを癒やすための、いつもの行動。ルームの中は、ぽちさんとけーぞーさんの穏やかな会話が流れていて、心が落ち着く。 その時、まぁずさんからメッセージが届いた。「ゆかりさん、今夜は星が綺麗ですが、少し寂しい夜ですね?」 彼の優しい言葉に、私の胸の奥がチクリと痛む。素直に「寂しい」と言えたら、どんなに楽だろうか。私は努めて明るい声で返事をした。「そうですね。一人で見る星は、時々、遠すぎると感じます」 まぁずさんの気遣いは、いつも私の心に温かく響く。彼の包容力は、とても心地よいものだ。けれど、私の視線は、なぜかルームのもう一つの隅にいる二都さんのアイコンを捉えて離さなかった。 ももたろうさんやテスターさん、そして管理人であるあきっくすさんは、いつものように私たちの会話を見守っている。あきっくすさんは、まるでルームという大きなキャンバスに、私たち一人ひとりの色を自由に描かせてくれているかのようだった。 二都さんの、あの理屈っぽい話し方。いつも冷静で、物事の本質を鋭く見抜こうとする姿勢。彼の言葉には、時々、私の心の奥底に隠している「なぜ?」という疑問を、揺さぶられるような感覚があった。 まぁずさんの優しさに包まれることは、確かに安らぎだ。でも、二都さんと話していると、普段見ない世界が見えるような、そんな期待が胸の内で膨らんでいく。 まぁずさんの温かさと、二都さんの鋭さ。 私の心の中の天秤は、静かに、そしてゆっくりと揺れ始めていた。このルームは、ただの憩いの場所ではない。私の知らない「感情」という深い森へと続く、入り口なのかもしれない。(つづく)#連続GRAVITY小説 #第34話 #前回と同時刻 #ゆかりさん目線です #storysong