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こんにちは
読書記録です

国家はなぜ衰退するのか
権力・繁栄・貧困の起源 上・下

ダロン・アセモグル
ジェイムズ・A・ロビンソン 著

鬼澤忍 訳

ハヤカワ・ノンフィクション文庫

面白かったけど、延々とケーススタディを提示して、同じような話の繰り返しは少し冗長でしたね。
経済成長の歴史の概説を兼ねているから、あえてケーススタディを多く提示しているのでしょうけど。

要点としては
なぜ繁栄している国、貧しい国があるのか
それを規定しているのは地理的条件でも文化的要因でもない
包括的な政治制度、経済制度なのか
収奪的な政治制度、経済制度なのかの違いだけだそうです。
包括的な政治制度、経済制度というのは、多元的で自由主義的で民主主義的な政治制度であり、私有財産や市場経済を基盤とする経済制度です。

国家が経済的な繁栄を獲られるかどうかは、経済活動、特に技術革新に対するインセンティブが担保されていることが決定的に重要だそうです。
このインセンティブを維持するためには、政府が集権的で強固な統治体制でありながらも、権力が分立していることが重要だそうです。
それに世界で初めて成功したのは、名誉革命によって実権が議会に移った英国だそうです。

中国のような権威主義的独裁の国は、政治体制を支配するエリート層が、社会基盤を揺るがされることを許さないため、創造的破壊を伴う技術革新の許容性が低いそうです。
このため、現在の中国の繁栄は、いわゆる後発性の利益を得ているだけで、今後も持続的な発展を続けることはありえないそうです。
今後の中国がどうなるかが、本書の見立てが正しいかどうかの答え合わせになりますね。
中国の経済成長は急激に減速しているという話も聞きますし、答え合わせの結果が出るのが近いということでしょうか。

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