#人怖な話「カチカチ」①これは私が大学生の時のお話です。広大な敷地を持つ大学には、森がありました。今思うと農学部もありましたので、あの森も、何かの研究用だったのかもしれません。森自体にはなんの思い入れもありませんでしたが、問題は森に集まるカラスです。大量のカラスが森に巣食い、大学の内外問わず荒すようになり、大量の糞が落ちました。落ちてきた糞で汚れることも多々あり、学生の間では「カラステロ」と呼ばれ、恐れられていました。ある日、私はサークル棟へ向かう坂道を下り、オーケストラ部の練習場へと歩いていました。活動する場所として割り振られたその場所は、森の脇に建てられたプレハブで、夏は暑く冬は寒いと悪評高い部室でした。あの日は残暑が残るものの、秋風の吹く過ごしやすい日だったと思います。森の横の坂道ということで、どこを見ても視界にはカラスが入りました。(またカラスが増えてる……そろそろ大学も対策すべきじゃないかな、食料にして売り出すとか。)と、我ながら無茶なことを考えながら部室に着きました。個人練習を終えて部室を出ると、だいぶ日が陰り、カラスの鳴き声があちこちから聞こえます。茜色に染まる、夕暮れでした。これからアルバイトに向かう足取りは重く、更に上り坂でしたので、ゆっくりと歩みを進めます。そのうち、妙な音が聞こえてきました。カチカチなんだか聞き覚えのあるような音です。(なんの音だろう。)②に続く#GRAVITY百物語#私の実話シリーズ#ほんのり怖い話#現代版カチカチ山