王谷晶さんの「ババヤガの夜」を読んで暴力が気持ち良くて、偏見を持つ自分を見せ付けられた血の臭いとか肉が切れる感触、骨が砕かれる音とか、五感に迫る文章で少し胃が重くなるくらいだった。でも、テンポや臨場感のせいかスラスラ読めたし、読んでいて正直気持ちが良かった。後書きにあったけど、作者さんも気持ちが良いらしいので、安心した。依子さんと尚子さんは全く違う生き方をしているけど、やっぱり女性として見られて生きる事は、体にも心にとっても面倒で大変だと思った。フリをして生きる事は賢いし楽で良い。人との関係なんて本当は、名前なんて無くて良いし、周りにも本人ですらも分からなくても良いのかも。自分はマイノリティ側で偏見は少ないと思っているけど、2人の物語を勝手に想像して、予想外な形だった事に驚いた。そして少し裏切られた様な気持ちになっている自分がいて、めちゃくちゃ偏見あるじゃんと、はっきりと気付かされてしまった。最後は穏やかというか優しいと言うか、でも少し不安な様な、惨虐さの名残りがあるのか、不思議な気持ちで読み終えた。他の作品も読みたくなりました。今までに無くとても面白かったです。ありがとうございます。#読書 #ババヤガの夜 #王谷晶さん