国立能楽堂40周年記念公演。観世宗家の翁、大槻文藏の清経(恋之音取)、野村万作の栗焼、金春安明の山姥(波濤ノ舞)という番組。1時から6時15分まで、久々にがっつりみた。なんと言っても清経が最高。戦地で入水した清経の霊が都の妻の夢に出てくるのだが、音取の小書だと揚幕から本舞台まで松のあたりで止まりながら、笛の音と合わせて登場する。時間感覚が不思議に変化し、奇跡と思うほどの美しい幻。野村万作は一時期少し元気がなさそうだったけれど今日はそんなこともなく、主に命ぜられて焼いた栗を全部食べてしまう話を、こちらが食べたくなるように感じさせる至極の藝。山姥は能楽師が好みでないのだが小書があるのでみたが、感興を得られることなし。#能#大槻文藏#清経#音取#国立能楽堂