松竹座にて七月大歌舞伎。藤娘の菊之助は精彩を欠く。まるで能面のような顔。重の井は何と言っても梅枝。所作も多い上に科白の量もある。初舞台というのに頼もしい。夜は仁左衛門の権太が素晴らしい。何度も観ているが所作に滲む心の綾が手に取るように分る。八十にしてこの芝居。畏るべし。そして時蔵の嫗山姥。これからの義太夫狂言はこの人が担ってゆくのだろう。四天に向い手水鉢を振り上げてキマる姿の良さ、最後の三段での見得、大変美しい。#歌舞伎 #時蔵 #梅枝