#未来森見登美彦「どうせあなたはどんな道を選んだって、今みたいな有様になっちまうんだ。いずれにせよ僕はあなたに出会って全力であなたをだめにします」生育の悪い茄子のようなアイコンをしたアカウントは私にチャットでそう語った。 ネオ叡山出町柳駅から遠く遠くあの光まで遠くここは量子インターネットの片隅にぽつんと頼りなげに存在するソーシャルネットワークサービス。聞けばかつては日本のネットワーク社会においてそれなりの人気を誇っていたというその名は「GRAVITY」、とっくの昔に我々人間は宇宙進出し、重力の鎖から解き放たれたというのに因果な名前である。そしてその重力に大学1回生の身分ながらどっぷり沈んでいる私も大変に因果な生物である。