来月で閉場となる国立劇場で二ヶ月連続のさよなら公演、「妹背山婦女庭訓」。大判事の松緑が出色。肚があり巧みな心理描写。定高の時蔵は母性が強めだが芯の強さもしっかり出していた。吉野川での松緑の大音声のカタルシス。幕間には国会カレー、次の国立劇場では食べられるのだろうか?#歌舞伎#国立劇場#妹背山婦女庭訓#松緑#時蔵
松竹座にて七月大歌舞伎。藤娘の菊之助は精彩を欠く。まるで能面のような顔。重の井は何と言っても梅枝。所作も多い上に科白の量もある。初舞台というのに頼もしい。夜は仁左衛門の権太が素晴らしい。何度も観ているが所作に滲む心の綾が手に取るように分る。八十にしてこの芝居。畏るべし。そして時蔵の嫗山姥。これからの義太夫狂言はこの人が担ってゆくのだろう。四天に向い手水鉢を振り上げてキマる姿の良さ、最後の三段での見得、大変美しい。#歌舞伎 #時蔵 #梅枝