日本史に関するコミュニティ投稿【2025】|日本史にわかの星,日本史学-Gravity SNS

龍馬暗殺伝　.4

　一番信憑性に欠け、しかも識者らも殆ど関心を示さないのが、

③ 新撰組説。
　歴史は好きでも教科書通りにしか知らない者が、思わず飛びつく説だ。つまり、幕府体制側の新撰組と反体制側の坂本龍馬を対立軸において、単純構造で捉えた視点だと新撰組説は易々と納得してしまう。
　ましてや殺害現場には新撰組の原田左之助の刀の朱鞘が落ちていた、とか刺客が龍馬らを襲う時に発した「コナクソ！」と言う方言が伊予弁であり、確かに原田は伊予松山の出であった。
　しかし、新撰組の首領である近藤勇自身が暗殺当夜の状況に首を傾げている通り、龍馬は反幕府勢の中でも所謂保幕派であり又、近藤勇とも親交があったとも言われている。
　原田が新撰組隊士として、単独でこのような暴挙に出る謂れはそもそもない。
　しかし、新撰組の統轄藩であった会津藩には確かに龍馬を襲う動機はあったが、それは又後に譲る。

④ 紀州説
　慶応3年4月23日に起こったいろは丸海難衝突事故を巡って、紀州藩に対して直接交渉に臨んだ龍馬の強行姿勢に、紀州藩側が業を煮やして、龍馬暗殺を目論んだとされる説。裏でそれに加担したのは、同じ土佐藩の龍馬の上司に当たる、後藤象二郎。後藤は紀州藩とも通じており、大政奉還を起草した龍馬が疎ましたかった。土佐藩藩主山内公は元々討幕にせよ和平案にせよ、大勢の赴くままに身をこなす男で要は土佐藩としては、どちらに転んでも流れに身を任せ、最終的に勝ち組に着く腹だった。後藤は、大政奉還の手柄を自分のものにする為に龍馬と言う大人物の大器は、自分の出世に必ずや邪魔になると考え紀州藩からの龍馬暗殺の打診を黙認したものと思われる。暗殺実行者は紀州藩の三浦休太郎、三浦は後藤と親密だったから、暗殺の口封じには後藤は適任だった。そして、三浦の人脈から新撰組の前野五郎が加わり、現場に新撰組犯行をにおわす数々の証拠品を置いて去ったのも前野の仕業と思われる。が、新撰組説で述べた、犯人の「コナクソ」と言う言葉や原田左之助の物と思われると言う刀の朱鞘も、実際にその時現場に本当にあったのかは疑わしいと言う説もある。全く分からなくなって来る。

つづく…。

※フレームは原田左之助、後藤象二郎、三浦休太郎の順。

#日本史 #幕末 #龍馬暗殺