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象山ノート

象山ノート

📘 田中角栄『日本列島改造論』を読んで──53年前の未来図に圧倒された
@#田中角栄 #日本列島改造論 #ユニバーサルサービス
正直に言うと、田中角栄なんて「昔の金に汚い政治家」という程度の印象しか持っていなかった。数年前に石原慎太郎の『天才』を読んで多少気にはなっていたが、いまさら田中角栄か……という気持ちの方が強かった。

ところが、図書館で政治家の本を色々つまみ読みしているうちに、溜息や鼻で笑うような本ばかりが続く中、『田中角栄 魂の言葉88』に出会った。読み進めていくと、「あれ、これは『天才』に書かれていたことと同じだな」と思う一方で、どの著者の証言にも一貫して人間としての“器の大きさ”が滲む人物である事が分かってきた。

そこで、どうしても本体である『日本列島改造論』が読みたくなり、ついに中古で購入。
原価の約4倍。約2000円。
正直「また安倍晋三回顧録みたいなガッカリ本だったら……」と恐る恐る読み始めたが――

読み終わった今なら言える。
2000円は安い。内容を知っていたら3000〜4000円でも買った。



■ 日本列島改造論──“ユニバーサルサービス国家”の設計図だった

読んでまず驚いたのが、田中角栄の構想がとにかく 大局的で、血が通っている という点だ。

彼が描いた日本は、

「どこに住んでいても、同じ日本としての生活水準を享受できる国」

だった。

公害のない産業配置、農業と工業のバランス、均衡ある地域社会の構築。
本の中には「ユニバーサルサービス」という言葉こそ出てこないが、実質的には完全にそれを解説している内容だった。

今の政治家が“自己責任”を振りかざすのとは真逆。
どうすれば国民全体を底上げできるかを、国家規模で真剣に考えている。



■ そして何より驚いたのは──53年前に“インターネット型社会”を構想していたこと

これはもう鳥肌ものだった。

医療・教育・行政を「コンピュータを使って全国どこでも同じサービスを提供できる社会」にする、と書いてある。

スマホもLANもない時代にだ。

医学の地域格差、教員の格差。
いままさに我々が苦しんでいる問題を、53年前の政治家が既に理解し、対策を提示していた。

さらに、医療体制については
ドクターヘリに近い思想すら見えた。

「田中角栄の頭の中、一体どうなってたんだ……?」
読みながら本当にそう呟いてしまった。



■ “金に汚い政治家”というイメージは、まるで別人だった

私はずっと、角栄を「金権政治の象徴」だと思い込んでいた。
だが、著書を読んで分かったのは、

彼は金ではなく、国民の“生活のリアル”を見ていた政治家だった

ということ。

農業政策について
「農業は一度縮小すると、回復に長い時間がかかる」
と語った彼の言葉は、現代の政治家がまったく理解していない核心を突いている。

田中角栄は、日本人がどこにいても幸せでいられる国を本気で作ろうとしていた。

こんな政治家、いま本当にいるだろうか?



■ いまの日本に欠けている“国家の設計図”

今の政治は、派閥の都合や政局や自己責任論ばかり。
国をどう導くか、という設計思想がほとんど見えない。

53年前の政治家がここまで考えていたのに、
我々はむしろ退化しているのではないか?

そう思わずにはいられなかった。



■ 最後に──「自己責任」を言う前に、一度でいいから読んでみてほしい

田中角栄を「金に汚い政治家」で止めている人にこそ、読んでほしい。
『日本列島改造論』には、

国家とは何か。政治とは何か。
国民をどう幸せにするのか。

その原点が詰まっている。

私は、間違いなく“良い買い物をした”。
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