ここ数年、初めて聴いたときに衝撃を受けた曲というのがいくつかあるけど、この曲はその中でも群を抜いて、それはもう筆舌に尽くしがたいレベルのものでした。「無情のスキャット」/人間椅子初めてバンドの曲をちゃんと聴いたのがこの曲。まず風貌からして目を引くものがありました。一見その見た目から色物的な見方をされてしまうかもしれませんが、長いイントロのアルペジオを超えてバンドの演奏が始まった瞬間の衝撃は凄まじかった…こういうのを本物と言わずして何が本物か。歌詞の内容から伝わる男の悲哀…無情…サビで現れる特徴的な「シャバダバディア」というスキャット。これが見事に海外でバズる。中間部ではガラッとアレンジを変えて展開。哀愁の大洪水、激渋で泣きどころか大号泣のギターソロ。後半部からラストはもう怒涛。悲哀に満ちた日陰に暮らす男こそ、うちに秘めるパワーは無限なんだろうな。「私の命に光を私の明日に光をすべての命に光をすべての明日に光を」うちに秘めたるパワーが最後に大爆発するラストのギターソロ。ここまで来るとそれをどう表現するとかもう野暮。ただただひたすらかっこいい。これボーカルの和嶋さん、長年折れずにずっと活動を続けてきたバンドだからこそ説得力が出るんだろうな。折れずに続けてきたバンドがうちに秘めたパワーがこの曲にとんでもない魔力を持たせたんだと思う。ただただ凄まじい。因みにライブも行ったけどすごかったなぁ。まずスリーピースなんだけどとてもスリーピースじゃないの、音の厚みが。ステージ上も3人だけ、バッキングのギターとかいないのに何でCDと同じ厚み、凄みがステージ上で出せるの?っていう。めちゃくちゃかっこよかった。#無情のスキャット #人間椅子#新青年