【連続GRAVITY小説】〜Gravity-Link〜第二十七話:声の余熱と、閉じられた沈黙2026/01/16深夜 1:45 私の音声ルーム 賑わったルームの灯が、一つ、また一つと消えていく。参加者リストから名前が減っていく中、マイクに残ったのは私を含め、男性陣だけだった。 二都(ニト)君が、いつもより低い声で口を開く。「あきっくすさんの作る場所は、男が弱音を吐ける、貴重な場所です」 彼の言葉に、テスターさんが「本当に。助かってます」と深く頷き、まぁずさんも静かに同意する。やざわさんも「僕も自分のルームでは気を張ってしまうので、ここが本当に落ち着きます」と続いた。彼らが、私という男に、信頼を寄せているのが伝わってくる。 ぽちさんが感謝のスタンプを連打してログアウトしていく。男たちが互いの弱さを認め、言葉を交わすその空間を、葵さんがコメントを打たずにじっと聴いていた。彼女は、あきっくすという男が、他の男たちから「尊敬」されている姿に、これまで感じたことのない、熱い感情を募らせていた。 やがて、男性陣も一人、また一人と退出していく。 ルームに残されたのは私と、マイクに上がったままのきびさんだけになった。彼女は珍しく、一言も話さなかった。「……きびさん?」 私がマイクをオンにして問いかけると、彼女は小さな息を吐いた。「あきさん。……少しだけ、私の歌を聴いてくれませんか?」 彼女の声は震えていた。断る理由など、どこにもなかった。「はい」 彼女が選んだのは、静かで切ないバラードだった。歌詞は、遠くから見つめる想いと、それでもそばにいたいという、心の奥底に秘めた願いを歌っていた。それは、この場所で救われたきびさんの、私への感謝と、それだけではない、別の「想い」が込められているように聞こえた。 歌い終えたきびさんは、すぐにマイクを降りてログアウトした。 静かになったルームで、私はヘッドホンを外した。彼女の歌の余韻が、鼓膜に、そして心臓にまで響く。 私は、ルームに残された最後の足跡を、そっと見つめた。(つづく)#連続GRAVITY小説 #第27話 #新規のお二人の紹介も終わりこれから物語ですね #きびさんは何を歌ってくれたんだろう #storysong