#断章形式の短編詩------------------------------------------『鏡ノ裏に棲むもの 』第一章:映らぬものわたしは 夜の鏡を ただ見つめていた そこに映るはずの わたしは いない ただ 一片の嘘が 忘れられた夢のように 鏡の底で 息づいている─わたしが わたしを見つける場所は いつも 映らないところだった─第二章:裏側の言葉真実は いつも 裏に貼られた 剥がれかけた皮膜剥がせば 裂け 残せば 読めない─真実は 読まれることを拒む 沈黙の紙片─第三章:影の演技街灯の下で 誰かが わたしの声を使って 笑う その声は わたしの声に似ていて けれど わたしでは ない 嘘は── 影が わたしをなぞる その一瞬の ずれ 夜が深まるたびに 鏡は いよいよ透明になり わたしは いよいよ 嘘になる─わたしの声で 誰かが笑うとき わたしは もう わたしではない─---------------------------------------------